96のチラシの裏:浦和レッズについて考えたこと

浦和レッズを中心にJリーグの試合を分析的に振り返り、考察するブログ。戦術分析。

2020シーズン開幕:今年の浦和レッズをどう見ていくか

毎年のことですがオフシーズンはなんでこんなにはやく過ぎるのでしょうか。僕はサッカーそのものよりも浦和レッズが好きなタイプのファンなので、オフシーズンはあまりサッカーを観ないのですが、キャンプの動向を追ったりしているうちにもうシーズンが開幕です。というわけで、ルヴァンカップグループステージ第1節・仙台戦から幕が明ける2020年シーズンの浦和レッズについて、シーズン開幕前の印象を書き残しておこうと思います。

 

今シーズンの位置付け

昨シーズンは2年連続の監督解任となるオリヴェイラ前監督の途中解任、これまた2年連続のシーズン途中での引き継ぎとなった大槻監督の正式監督就任と混乱の中にあった浦和。大槻監督は正式監督就任後もそれまでの浦和レッズのプレーモデル(明確なグループ戦術がなく、個人の能力とアイデアに依存したサッカーもまた、そのようなプレーモデルであると言えるとすれば、ですが)を踏襲し、分析上がりの人材らしく試合前の準備の多くを対戦相手への対策に割くという方針で戦い、結果としては「何がやりたいかのか誰もわからない」事態に陥り、辛くも残留を果たすシーズン14位に終わりました。

この悲惨な結果を受けて、クラブは中村GMを解任。過去に選手、そしてGKコーチとして長く現場を経験してきた土田尚史氏を新たなポジション、スポーツダイレクター(以下「SD」)に配置し、その土田氏の提案から同じく浦和OBである西野努氏をテクニカルダイレクター(以下「TD」)に抜擢、新たな強化体制で臨むこととしました。就任とともに土田SDは「浦和レッズのサッカーを構築し、3年で優勝する」と宣言し、所謂「3年計画」の初年度として新たなシーズンを位置付けました。一方で、ミシャの時代に集まった選手たちが既にベテランとなっており、世代交代の必要性が高まっているスカッド編成については「契約上簡単ではない」と述べ、補強は最低限に留まっています。

こうしたピッチ外での、クラブ運営や持続的な強さを手に入れるための戦略レベルでの施策についての意見はいろいろあると思うのですが、個人的には「不安があれど受け入れ、応援していく」という姿勢であることは昨年記事にした通りです。

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これを踏まえてクラブが2020シーズンの目標としたのは、得失点差二桁の達成とACL出場権を取り戻すこと。これまではとにかく戦力を集めて「浦和は優勝しなければいけない(もしくは、優勝を目指すべき)クラブ」と宣言していたのが「目標」であったことを考えれば、この中途半端とも思える具体的な目標設定は過去の反省が反映されたものと言えるでしょうか。これも、派手さはないものの個人的には妥当な設定ではないかと思います。もちろん「3年計画」の初年度だからと言ってそこそこの成績でなければいけないというわけではなく、いきなり優勝してくれても全然構わないのですが、競争の激しいJリーグですからそうもうまくはいかないでしょう。それよりも問題は、宣言した目標を達成するための方法論が妥当かつ目標に合ったものであり、それが現実に表現されるか、そして「3年計画」の2年目、3年目に繋がる要素を見せられるのか、というところです。

その意味では昨年も途中からチームを引き継いだとはいえ1試合あたりの勝ち点ベースで歴代監督の中でも最低レベルの成績に終わった大槻監督の続投というクラブの決断にはがっかりした人が多かったのではないかと思います。僕も昨年の記事では、クラブの中長期の方向付と取り組みは評価するにしても、短期的な成績にかなりの影響を与え責任を負っている大槻監督の手腕を手放しで信じるとは書けず、不安要素としていました。クラブがどんなに美しい将来像を描いても、短期的に負けが続けば降格制度がある以上クラブも手を打たざるを得ないわけで、そうなればクラブの方向性を信じるか否かという議論は目の前の現実に飲み込まれてしまいます。

というわけで、浦和レッズにとっての2020シーズンは、不安要素を抱えた中での新たな船出といった感じでしょうか。「3年計画」という航海図の通りに冒険を進めることができるのか、この航海図を浦和レッズに関わる人々が信じることが出来るのかどうか、もっといえば信じ始めるだけのきっかっけをチームが示し、ファン・サポーターがそれに気づくことができるかどうかが重要になるのではないでしょうか。

 

最も重要な序盤戦

その意味で、最も重要なのはシーズン開幕からの10試合〜15試合程度の出来ではないかと思います。結果もそうですが、とにかく形を示すこと、可能性の一端を示すことでファン・サポーターを新しい戦い方、新しい浦和レッズのやり方、新しい航海に引きこむことが大槻・レッズには求められると思います。

そう考えると思い出されるのは2012年シーズンで、ミシャ・レッズの一年目は開幕戦こそ「元祖ミシャ式」である広島に敗れたものの、ホーム開幕戦となった柏戦では目指す形ではないながらなんとか勝利を掴み、第3節の札幌戦からボール保持からチャンスクリエイトしていく「目指す形」を徐々に示したことで半信半疑だったサポーターを引き込んで行きました。もちろん、ミシャサッカーの頂点といえる2016年シーズンの完成度と比べれば当時のサッカーはおっかなびっくりのボールポゼッションでしたし、コンビネーションのクオリティも低くボールを握っても試合を支配するとは程遠いものでした。2012年シーズン当初にスタメンで起用された選手のうち、2016年の最終盤までその座を守っていたのが柏木、阿部しかいないことからもその後の進化が窺えるというものですが、それでも2011年の悲惨なシーズン目の当たりにしたファン・サポーターにとっては浦和レッズがボールを保持し、意図を持って何かをしようとしているという姿はそれだけで新鮮な出来事でした。ミシャサッカーではお馴染みの、盤面をリセットしポゼッションを安定させるためのバックパスにチームの意図を汲み取った拍手が起きるようになったのは2012年シーズンの前半戦だったと記憶していますが、つまりその程度には当時のチームはファン・サポーターに自分たちの進む方向を示し、引き込んでいくことができていたわけですね。

このような意味で、今シーズンの最初の10試合〜15 試合をどう乗り切っていくか、その中でチームが何を見せるのかは注目に値します。2020シーズンの序盤はルヴァンカップのグループステージとJリーグを同時に消化し、3月と4月はそれぞれ6試合を戦う日程となっています。

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ルヴァンカップのグループステージで同組になるクラブとはどうしても対戦が多くなるため、これらのチームとの対戦成績がどう推移するのか、そしてそれぞれのチームがリーグ全体でどのような成績を残すのかというところが一つの指標になるかもしれません。2020シーズンの浦和で言えば、特にセレッソ大阪と4月までに3回対戦することになっていますので、起用選手に多少のローテーションがあったとしても浦和レッズが彼らとの対戦でどの程度のクオリティを発揮できるか、そしてどのような振舞いをチームとして見せるのかは序盤の注目ではないかと思っています。セレッソは昨シーズンはロティーナ監督の下組織化された堅い守備をベースに5位でフィニッシュしており、今季も安定した戦いで上位進出を狙うのではないかと思われます。簡単には崩せないし、オンザボールでのタレントもいる、4バック採用チームとしては大先輩のセレッソ相手に浦和レッズはどんな戦いを魅せられるでしょうか。

 札幌でも同じように自らのサッカーにファン・サポーターを引き込んでいる百戦錬磨のミハイロ・ペトロビッチ監督と、トップカテゴリー1.5年生の大槻監督を比較することにあまり意味はないような気もしますが、過去の経験に学ぶのであればやはり結果や出来栄えは別にしても進むべき方向性をしっかりと提示するのが序盤の肝になると思います。一方で、大槻監督の志向するサッカーがミシャのものほど極端なものではないこと踏まえれば、我々観る側にも多少の歩み寄り、彼らが何をしようとしているのかの理解は必要になるかもしれません。

 

新フォーメーションの目指すもの

そういう意味では、開幕前で情報がないとはいえ予習はしておきたいところ。連日のキャンプ報道で新生・大槻レッズが4-4-2を採用して2020シーズンを戦うであろうことは既に周知のことかと思います。では、4-4-2で選手を並べるとして、大槻監督が表現したいことはなんでしょうか。

いろいろなインタビュー等から見えてくるテーマは、「主体的にゲームをプレーしたいこと」、「なるべく前から追い込んでショートカウンターを決めたいこと」、「攻撃時にはSBも上げて最終ラインを高く保つこと」といったところでしょうか。一方で選手のコメントからは「オーソドックスな形である」、「難しいことはない」というような発言もあるようですから、基本的にはコンパクトネスを大事にするフラットの4-4-2という感じで予想されています。

個人的に結構気になるのはSHの役割と求める仕事で、中盤がフラットの4-4-2と言ってもSHの振舞いで結構印象が変わります。これについては大槻監督は、2月13日の会見で以下のように話しています。

(4-4-2のサイドハーフに求めるものは?)
「ハードワークしてほしいし、点も取ってほしいし、アシストもしてほしいし、守備で気の効いたこともしてほしいです。そういう重要な役割があると思っていますし、その中でそれぞれの特徴があるので、チームでの役割をしっかりとやりながら特徴を出すというところまでやってくれればありがたいなと思います」

 

大槻 毅監督会見(2/13)

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 まあこういうはぐらかしは大槻監督の常とう手段なので、受け取る側も「核心は言いたくないんだな」ということくらいしか受け取れないコメントではあるのですが、「点を取ってほしい」という言葉を真面目に受け取るなら、SHには中央に入っていける選手を配置するのかもしれません。右利きの汰木が左SHで多くの出場機会を得ていることや、昨年途中に復帰して以来左WBで出場していた関根が右で使われていること、関根自身もSHから中央に入っていくプレーに自信を持っている(本人はもともとユース時代にトップ下の選手)ことなどから、SHが大外に開いて幅をとるというよりは2トップとの関係性の中で中央、ゴール前に顔を出すような形を意識付けしているような気がします。

実際、ショートカウンターから2トップがゴール前で勝負できるような場面を再現性高く何度も作れれば良いのですが、きっと実戦ではそんなに簡単ではないはず。そんな時に、「なるべく前から追い込んでショートカウンターを決めたいこと」というテーマの実現にはショートカウンターでファーからゴール前に入ってきてゴールゲッターと化すSHが求められるのかもしれません。もしくは、浦和がポゼッションをする際に中央の崩しにボランチを参加させるよりもSHが中に入ったほうがネガトラの際のリスク管理がしやすいということもあるかもしれません。

それで、SHの役割に関連して気になるのがその後ろでプレーするSBの役割ですね。ポゼッションの際にSHが中に入ってくるなら幅を取る役割はSBが担う、というのがある種のパターンですが、ここには大槻監督のいう「チームでの役割をしっかりとやりながら特徴を出す」が味付けになりそうな予感がします。レッズが4バックを採用したことで昨シーズンの苦境から一気に大逆転勝利となった山中は、前所属のマリノスではいわゆる「偽SB」の役割でブレークした選手です。すごくざっくり言うとSBのボランチ化みたいなイメージですが、おそらく山中が出場するゲームではビルドアップの際にこの動きがみられるのだと思います。一方で大槻監督は、山中の戦術的な振舞いについてこれまたはぐらかしていますが。

(トレーニングキャンプからサイドバックが特徴的な動きをしていると思うが、完成度はどれくらいか?)
「特別なことをやっているつもりはないのでそう感じられたのであればそうなのでしょうし、進み具合というのはまだシーズンも始まっていません。キャンプが終わった段階なので、これから成熟していくしかないと思っています」

 

大槻 毅監督会見(2/13)

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 シーズンが始まって定期的に観測できるようになれば、これが単なるはぐらかしで大槻監督ががっつり仕込んでいるのか、山中の個性として現れていただけなのかははっきりわかるのですが、考えてみると、山中(もしくはチームの約束事として左SBが)中に入ってビルドアップを助けるとすれば、その時右SBは違う役割を担うはずです。同じように中央に入ってきても仕方ない(その代わりボランチがもっと前に行くなどの機能があれば別ですが、あまりに変形が多すぎるのはデメリットが強くなるというのは浦和サポーターがよく理解するところですね)ので、右SBは大きく幅を取るか、もしくは最終ラインに控えて疑似的な3バックを形成するなどが考えられます。つまり、この時点で大槻レッズの4-4-2は、狙ってか選手の個性によってかはわからないとしても、おそらく左右で非対称の形、役割を担うフォーメーションになるのではないかと考えられます。

例えば、山中が偽SBとして3列目中央に入り込む代わりに、左SHは大きく幅を取って相手の最終ラインを拡げ、そこに3列目からボランチが上がっていくことで2トップをサポートする、その間に右サイドでは右SHが中央に入り込み、右SBが大きく幅を取る役割をこなす、などですね。

ということでざっとまとめると以下のようなイメージになるのではないかと何の映像も見ないままに予想します。山中が出る限りは全体的に左側が前がかかりの配置を作るのではないでしょうか。

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そもそもプレッシングからショートカウンターでゴールを奪いたいというのがコンセプトのチームになると思うので、自分たちのビルドアップは最優先ではないはずですが、大槻監督が率いていた浦和ユースの試合でもハイプレスとマイボールの際のビルドアップの型というのは両方見られていたのでこれくらいの仕組みは準備するのではないかと思います。ただしユース時代は型を作る一方で危なくなったら蹴っ飛ばしてプレッシングに入るという仕組みだったので、トップチームでどこまでビルドアップにこだわりをもつかはわかりませんが。逆に言えば大槻監督の性格的に常時プレッシング+マイボールなどいらん!ゲーゲンだけで生きていく!ともならないはずです。いずれにしろ攻撃的な左SBとして日本代表に選出された男をこれ以上燻ぶらせていても仕方ないので、思いっきり個性を発揮してほしいと思います。

まとめると、プレッシングからのショートカウンターをベースにしながらも、ビルドアップにもそこそこの仕組みは織り込んでくるだろうというのが僕の予想です。ただそれがどこまで設計されたものなのか、どこまで選手の個性によるアドリブを許すのかというところははぐらかされています。おそらくは結構選手の自由を担保してあげるのではないかと思いますので、序盤戦でどの選手がレギュラーをつかみ自分のプレーをスタンダートにしてしまうのかというのは見どころになりそうです。

こういう予想をすると、「大槻監督がここまで仕込めるならなぜ昨年やっていないのか、つまり大槻監督にまともな戦術を仕込むのは不可能」みたいな意見も出てくるのではないかと思うのですが、そこはやっぱり大槻さんも遠慮があったのかなあと思いつつ、今季はキャンプを3週間ぶっ続け(確実に選手は嫌がる)で敢行するなど吹っ切れて監督として思いっきり自分のチームを作りに来ている感じもあるので、僕はそこに期待しています。

 

2020シーズンの浦和をどう見るか

というわけで、最後に今シーズンの浦和をどのように見ていくのかをまとめて終わりたいと思います。

まずは、長期的な積み上げを目指す一年目ということで、浦和が「3年計画」で目指すものがどれだけ表現されているかが評価されるべきでしょう。

「3年計画」で目指すものといえば、土田SDの語ったところの3つのコンセプトですね。

  1. 個の能力を最大限に発揮する
  2. 前向き、積極的、情熱的なプレーをすること
  3. 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをすること

1番と2番は定量化しにくいので難しいですが、3番はがんばれば定量化した指標を作ってモニターすることが出来そうです。個人的には、ある程度自分の印象ベースでも良いのでこの3つのコンセプトがどれだけ体現されていた(と僕が感じるか)を、浦和のサッカーを観ていく中での中長期的な評価軸として使ってみようと思っています。

もっと戦術的な面でいえば、まずは安定した守備からショートカウンターを何本発動できたか。そしてショートカウンターのチャンスをどれだけシュートに、そしてゴールに繋げられるのかというところがまず新しい浦和レッズの生命線になるのではないかと思います。ここがしっかりできないと、その先の応用に進めないわけです。中長期的なコンセプトからしてもここは譲れません。ショートカウンターを数多く発動させるには相手に多少長くボールを持たれてもラインを下げすぎずに適切なプレッシャーをかけ続けることと、相手のボール前進に合わせてハメどころ、奪いどころ、セカンドボールの拾い所を毎試合設定し、マイボールにする仕組みを設計・実践する必要があります。序盤はメンバーが固まらない中でできる試合とできない試合のパフォーマンスの差が激しいかもしれませんが、まずはこの部分を第一の肝として見ていく必要があるでしょう。

その先にあるのがポゼッション、ボール保持の展開からゴールをこじ開けるフェーズです。キャンプの成果を見るにこの部分は未だ積み上げ途中という感じで、もしかしたらSHの個人突破や興梠、柏木といった個人のスキルで打開できる選手に大きく依存することになるかもしれません。しかし守備からショートカウンターが機能すればするほどボールを持たされる展開は増えるでしょうし、逆にいえばボールを持たされた時に怖さを見せられれば攻守において試合を支配していくことに繋がります。ちなみに、3バックから4バックになったことによってビルドアップの設計も異なるはずなので、誰が新しい形にどの選手がいち早く適応しているかというのも注目すべきポイントになりますね。

そして最後に、どんな失点が多いか、そしてその傾向が変わらないのか、変わるのか、という部分も重要ではないかと思います。各種キャンプ情報を鵜呑みにすれば、最終ラインは高めに設定されるようですので、その裏を狙われての失点が多くなるのか、もしくは激しい競争が予想されるCB陣が新しい弱点に素早く対応するのか。サイドから崩されるのか、中央でブロックの間を通されてしまうのか、クロス対応はファーが弱いのかニアが弱いのか。自分たちは何が出来るのかということと同じく何ができないのかにも注意を向けておけば、それが今後の2年目、3年目の積み上げメニューになっていくはずです。つまりそういう意味では、このサッカーに対応できない選手というのも徐々に明らかになっていくのでしょう。

どうやら、世間様からは昨年の迷走のイメージが強いのか、どこの順位予想でも浦和は12位、13位前後に置かれており、メディアでありがちな戦力診断でも今年の控え目な補強は不評のようで、新しい4-4-2では勝てないのではないか、この戦力では戦えないのではないかと予想されているようです。もちろん僕も簡単に上位進出しACL圏内復帰という今シーズンの目標が達成できるとは思っていませんが、12位、13位くらいが妥当と言われてはいそうですねとも言えません。「どうせ無理」と思われるならばそれを覆す。逆境・悪評に抗ってこその浦和レッズというある種の伝統は、3バックであろうと4バックであろうと変わらないはずです。

そういう意味では、昨シーズン僕らと共に悔しい思いをした選手の多くが今年も在籍しているというのは、感情の共有という意味ではポジティブなのかもしれないですね。昨年悔しい負けの数々を、今年は新しいやり方で取り返さねばいけません。そういう意味ではやはり、シーズンの早い時期に選手とサポーターが目指すべき方向を共有するのは非常に重要です。完成度は別としても早い段階で新しいサッカーの片鱗が示せれば、ミシャの時代にポゼッション用のリズムチャントを多用したように、ゴール裏のサポートも新しいサッカーにふさわしいものを作りあげ、段々とシンクロしていくのではないかと期待しています。

浦和レッズの新しいサッカー、新しい冒険、新しい3年間、そして変わらない反骨心と熱量、全部見せてやりましょう。

 

改めて、今シーズンもよろしくお願いします。そろそろいこうか!