96のチラシの裏:浦和レッズについて考えたこと

浦和レッズを中心にJリーグの試合を分析的に振り返り、考察するブログ。戦術分析。

カメラのはなし - サッカーをベースにカメラを趣味にするときに考えるヒント

カメラはいいぞ

書くぞ書くぞと思いながらなかなか取り掛かれなかった話題なんですが、カメラはいいぞ!を今日こそ書きたいと思います。ご存じの通り、僕は去年ついに決心して良いカメラを買いまして、順調に大規模な投資を行っては嫁にドン引きされながら楽しんでます。ひっそりインスタとかtwitterに載せてますが、こんなかんじです。

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あんまり自分にアートのセンスがあるとは思ってないんですが、絵作りとか構図とかそういうのは何となく好きで、でも絵を描くわけでもないし、雰囲気を表現するのに手っ取り早いのは写真かなーみたいな感じで趣味としての写真に興味を持っていました。で、5,6年前にいわゆる高級コンデジを買ったんですが、その時はほとんどカメラのことを勉強していなくて、何がどう違うのか、自分に必要なのはどんな機能なのかもわからずに買ってしまって、持て余しちゃったなあというのが正直なところです。

去年カメラを買ったのはいろんなライフイベントがあったからというのが大きいのですが、一番自分を説得するのに役立ったのは「人生は不可逆な一瞬の積み重ねなので、今カメラを持っていないと今は撮れない。」というカメラメーカーか沼にハマった先人の殺し文句で、我慢して5年後買えばいいやって思ってると今日から5年間は写真撮れないんだよ???と考えたら「今だな」と。これ、今思えば完全に屁理屈ですけどね。カメラ欲しいと思っていない人には全くハマらないので注意が必要です。

で、このブログを読んでいただいているサッカーファンなら共感間違いなしだと思うんですけど、僕たちの人生の軸ってJリーグなんですよね。週末のうち一日はほとんど自動的に予定が埋まっているという意味でもそうですし、カメラをぽいっと渡されて一か月で何か好きなもの撮って、と言われたら間違いなく被写体候補はサッカーに関係するものか、遠征先の景色でも撮るか、みたいな感じになるわけです。もちろん僕もそうで、どうせならサッカー人生も豊かになるような投資にしたいと考えるのがスジだと思います。なので、そういう目線で、カメラ買うのに僕が何を考えたのか?をまとめておくのは、特定の、僕と同じような考え方をするであろうJリーグファンには役立つかもしれないと思って、書いていきます。

ちなみに結論的に言うと、僕はカメラに既に結構な投資をしちゃいましたが、全然後悔はしてませんし良かったと思っています。当初考えていたほどうまく活用できているかはわかりませんが、少なくとも自分が撮って楽しいと思えるくらいの写真は撮れているし、自分の趣味がいろんな意味で豊かになったなという感覚はあります。そのためにどれだけ投資する必要があるかは人それぞれだと思いますが、カメラはいいぞ、これだけは言えると思います。

どんなカメラを買うべきか?/ カメラを買うってどういうこと?

以降、カメラの詳細な解説記事なんかはプロやセミプロがいろんなブログとかで解説しているので、それを見てもらうとして、まったくの初心者だった僕が当時考えたこと、わからなくて困ったことにフォーカスをあてて振り返っていきたいと思います。つまり詳しいことは何も書かれないと思うのですが、カメラについてiphoneは凄いくらいの認識しかない状態のスタートでもついてこれるはずだし、全体像を理解するには良いのではないかと思います。

どんなカメラを買うべきかというのは、主に以下の3つから考える(自分で決める)必要があると個人的には思います。

1.どれくらいのクオリティの写真を撮りたいか

2.何を、どういう風に撮りたいか

3.自分が機材のスペックにハマる性格かどうか

 1.で言わんとすることは要はクオリティと価格のバランスなんですが、初心者にはマジでわかりづらいので結構壁になる気がするポイントです。主にフルサイズカメラを買うか、APC-Sやマイクロフォーサーズを買うかという話になります。2.は主にレンズ側の話で、望遠ズームの感覚がわからないと手が出ないという人が多いはずなのでその話を中心に。3.は個人的には凄く重要で、ここに自覚的でないと後でとんでもない沼に入り込んでしまうことになるので、最初に考えた方が良いと思いました。というわけで、それぞれ見ていくんですが、その前にいわゆる「すげーカメラ」がどういう仕組みになっているのか?についてざっくり確認しておきます。

一般的に「すげーカメラ」として僕たちが話そうとしているものは、たぶんこういうやつだと思います。

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https://www.nikon.co.jp/

これ、ニコンのなんかすごそうなカメラです。かっけーです。凄そうなので、こいつの仕様を見てみます。

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マジわかんねえ!となりますが、気にしない。重要なのはとりあえず次の2点だけ。上記のカメラは本体とレンズが分離します。つまりカメラという時、それはカメラ本体のみを表し、レンズは別です。そして、カメラにはメーカーや型式の制限で取り付けられるレンズとそうでないレンズがあります。その仕組みは、「レンズマウント」で識別されます。つまりカメラ側の設計でどんな種類のレンズを取り付けられるかが決まっていて、上記の例では「ニコンFマウント」という種類の交換レンズがつけられます(単純化して話してます)。そして、最終的に僕らが目にする写真は、レンズの性能とカメラ側の性能の関係性で決まり、それをどのように使いこなすか、そして編集するかが撮り手の腕ということになります。なので僕たちはこれから、カメラとレンズの性能の関係性についてある程度理解しなければいけません。とはいえ、全てを理解する必要もないので、シンプルに仕組みを理解していればあとは必要に応じて調べられると思います。

ちょー簡単に言うと、カメラ側で重要なのは以下の機能です。

・画素数(多ければよいわけではない)

・オートフォーカスの性能(速さとか)

・手振れ補正(何軸補正とか)

・ISO性能(暗いところでもかしゃかしゃ撮れるか)

・連写性能

・動画性能(いらない人はいらない)

・電池持ち(重要)

 それぞれ個別の機能についてはぐぐれば結構簡単に勉強できます。ただ、個別の機能について語りだすとオタクが出てきて怖かったり、それぞれの機能の関係性が分かりづらかったりするので、簡単にカメラがどのように写真を撮っているかという仕組みを理解しておくのがおすすめです。

www.trisec.co.jp

とりあえずイメージで言うと、カメラ側の性能はシャッターを切る、レンズを通じて入ってきた画像情報をどのように処理して記録するか、というところに関係する機能がメインです。人間でいうと脳みそ。

で、レンズも当然写りにかなりクリティカルな影響を与えます。こっちは人間でいう目で、どれだけ広く/狭く、遠く/近くを撮るかであるとか、どれだけ綺麗な画像をカメラに届けるかとか、どれだけの光を取り込めるかとか、絵作りに関する部分を担っています。全部最強のレンズがあればよいのですが、カメラの世界はシビアなのでしょう、全部最強のレンズはなく、どのレンズもだいたい一長一短なので撮りたい対象に合わせてレンズを使い分ける必要があり、オタクはここに並々ならぬこだわりを持ち、よくわからんグラフとかを使って3万字くらいレンズの性能をレビューしたりしています。が、初心者はどういうレンズはどういうところに強いとか、どれはどういう意図で使うレンズかわかっていれば最初は十分ではないかと思います。

1.どれくらいのクオリティの写真を撮りたいか

画作りに対するレンズの影響はクリティカルなんですが、それも取り付けるカメラあってのことなので、とりあえずカメラ側のスペックを検討していくことにします。カメラの基本的な構造や選びかたについて簡潔ですごくよくまとまっているのは以下のキャノンのサイトです。

cweb.canon.jp

現実的にこの時代にカメラを買うならミラーレスカメラになるわけですが、ミラーレスカメラの中にも種類があり、要はイメージセンサーの大きさで分類されます。めっちゃ簡単に言うと、イメージセンサーがでかくて、光を多く取り込めるので画質が良く、写りの範囲も広くなる(逆に言うと遠くなる)のがフルサイズで、イメージセンサーが小さくて、フルサイズほどの光を取り込めず、写る範囲も狭くなる(言い換えるとズーム効果があって近くとれる)のがASP-C(やマイクロフォーサーズ)となります。

その辺を知るには、以下のsonyのサイトがわかりやすいです。

www.sony.jp

あとはここも。

www.rentio.jp

ざっくばらんに言えば、いろいろ凄いのはフルサイズです。軽かったりコンパクトなのはASP-Cです。重要な点としては、ASP-Cの200mmとフルサイズの200mmが違うものであるということは理解しておかねばなりません。上記の通りイメージセンサーの大きさの違いから、お互いを対等に比べるには数値を換算してそろえる必要があり、ASP-C→フルサイズでだいたい1.5倍(メーカーによっては1.6倍)した数値で比べます。これをフルサイズ換算とか、35mm換算(フルサイズ=35mmフィルム写真から来る言い換え)とか言います。ちなみに、フルサイズのカメラを買うと、ASP-Cモードというのがあって、フルサイズカメラでもASP-C扱いで写真が撮れます(大きいイメージセンサーの一部のみを使う、つまり画素数をあえて落として擬似的にASP-Cのように写真を撮れる。メリットは、ざっくり言うと1.5倍近づけること)。

で、結局どっちがいいのさ?となります。この辺から結局何が撮りたいのか?がポイントになってくるんですが、ぼっけぼけの写真が撮りたいならやっぱりフルサイズが良いと思います。ボケ量はレンズの影響もかなり大きいのですが、クオリティを求めると必然的にフルサイズが勝つ構造なので、画質に妥協したくない、どこまでも突き詰めてしまう可能性があるならフルサイズを最初から買った方が全体の投資額は減ると思います。ただ、youtubeとかでも画質の比較をしている動画がいっぱいあるのですが、画質の差といっても正直人間の眼で理解できる範疇を超えて、等倍以上に拡大したときの性能のレベルなんですよね。一般的なサイズの写真に現像したり、モニターで見る程度の画質の問題であればAPS-Cでも大した問題にはなりません。というか、1920x1280くらいのサイズで画像を仕上げる場合はフルサイズだと完全にオーバースペックかなと思います。フルサイズがどのくらい大きな画像を撮っているかというと、このくらいです。

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フルサイズ6000x4000

マスクがかかっていない部分が1920x1280でトリミングする際のサイズ感です。1920x1280ちっさ!ってなりますよね。切り出した部分だけ表示してみます。

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1920x1280全体表示

切り出してこの画質です。右下を見るとわかりますが、これはまだ等倍表示ではないので、さらに等倍で表示してみます。

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1920x1280等倍

こんなかんじ。つまり、もともとものすごい画素数で大きく撮っているものなので、そもそも普通の画面で見ても等倍では表示できません(縮小してみるしかない)。なので、切り出して無駄なところを省いて表示しても、目に見える画質が落ちないんです。これを「トリミングでも耐えられる」という表現をしますが、要は大きく撮っておいて後で疑似的なズームのように編集でなんとかできるということです。ちなみに、iPhoneとかスマホのズームはデジタルズームなので、要は引き延ばしてます。なのでズーム=画質が粗くなります。これがフルサイズのサイズ感です。

ではASP-Cではどの程度かということで、同じように見てみましょう。

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ASP-Cモードを1920x1280トリミング

こんな感じです。僕はフルサイズのカメラなのでASP-Cモードで撮っているものですが、イメージとしてはこんなかんじ。フルサイズのだいたい2/3のサイズになりますが、1920x1280でトリミングするには十分すぎる余裕があります。もちろん画質的にはフルサイズに比べて落ちている(はず)のですが、正直僕は気になったことはありません。もっと詳細な比較なネットにたくさん転がっているので、いろいろ参考にして考えてみてほしいのですが、初心者が自分で写真撮ってにやにやするのにフルサイズがいいかといわれると、そのサイズ感や重さ(ASP-Cのカメラはマジで小さいです、これは自分で触ってみたほうが実感できると思うので確かめてみてください)を考えるとどうだろう、というのが正直なところです。

www.capricious.info

最終的に作品として仕上げる時(とかPCの壁紙にするとか)には、上記で見た1920x1280のように最適なアスペクト比(縦横比)と解像度の関係を理解しておかなければなりません。

例えば最近のテレビ・モニターに多いワイド型の画面では16:9が一般的になりますが、使用する機器によって解像度は違います。16:9でフルHD画質というと1920x1080です。4K画質となると3840x2160。MacBookの場合もっとワイドな16:10を採用していて、Retinaディスプレイに準拠すると2560x1600というサイズ感になります。FHDと4Kの間って感じですね。上記の写真の下の方にオリジナルの画像サイズが出ていますが、フルサイズで撮った写真で6000x4000、ASP-Cモードで撮った写真で3936x2624と出ています。つまり単純な話、上記で例示したモニターサイズに合わせて画像を仕上げるなら、どっちで撮ってもトリミングによって画質は劣化しないということになります。この辺を理解しておくだけでも、無理にフルサイズを買う必要があるか、ASP-Cモデルで十分なのかの指標にはなると思います。もちろん「写り」、つまり現実世界をどれくらい綺麗に、どれくらい明るく写真として表現するかは機材によって、つまりフルサイズとASP-Cで違いますし、手振れ補正や連写性能、バッテリーなんかも機材が許容する大きさ(つまりASP-Cは強みがコンパクトなので、コンパクトなりの性能になる)も重要なポイントなので、どれもこれも一要素でしかないことは留意点です。参考程度に、撮った写真をそれぞれの解像度でトリミングするとどうなるか載せておきます。

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ASP-Cモードを1920x1080トリミング

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ASP-Cモードを2560x1600トリミング

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ASP-Cモードを3840x2160トリミング

自分がどんなアスペクト比、解像度で仕上げたいのかわからない!という場合には、自分が使っているテレビやモニターに合わせるのがスタンダードで良いと思います。また以下のようにいろいろまとまっているサイトもあるので、参考にしつつ考えればよい気がします。ちなみにSNSにアップする場合、SNS独自に画像サイズを変換したりしてるので、ストイックに行くならその辺もチェックしておいたほうが良いかもしれません。

www.webdlab.com

ちなみに、カメラ側でもアスペクト比を設定できるので、「写真」として楽しむ場合には撮って出しのままでも良いと思います。ゲンミツに言えば、トリミングは便利ですが、あくまで事後処理なのでカメラの実力とは違いますし、本来はシャッターを切る瞬間に構図を整理して云々…と考えるのも楽しみなわけで。そうすると、トリミング前提で写真を考えるのは微妙な気もしますが、実際問題、壁紙にしたい!みたいなときにモニターで表現しきれない解像度をファイルに持たせていても仕方ない気がしますし、画を整理するのにトリミングは便利なので、趣味でカメラやってて結果的にいい感じの画像が得られれば満足だぜ!という意味ではやっぱり重要だし、素材としての写真と作品としての画像を分けて考える場合には解像度の関係を理解しておくとオーバースペックな機材を買うこともなくなるのかなと思ったりします。

2.何を、どんな風に撮りたいか

最高のクオリティを求めるならフルサイズ、そうでないならASP-Cが良いと分かったところで、さらに悩みを深めていきましょう。何をどんな風に撮りたいかとは、被写体を近くでとらえた写真が撮りたいとか、風景を大きくとらえたいとか、被写体に思いっきり寄りたいとか、そういうのです。つまりここからはレンズの話で、簡単に言うと、風景を大きく撮りたいなら広角レンズ、遠くのものを近くでとらえたい時は望遠レンズをつけることになります。

サッカーを撮るなら望遠一択です。どのくらい遠くまで追えるのかというのは「焦点距離」で示されるのですが、写真の基本的な焦点距離が35mmとか50mmとか55mmとか75mmと言われているのに対して、スタジアムの1階席からまともに選手をとらえようとすると最低でもフルサイズ換算で300mm(つまり、ASP-Cで200mm)、表情までとらえたいと思うとフルサイズ換算で600mm(ASP-C400mm)以上の焦点距離が必要になると思います。

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埼スタロアーからASP-Cモード400mm(35mm換算600mm)

これ、埼スタのロアースタンド(1階)からアップ中の選手をASP-C400mm、フルサイズでは600mm換算で撮ったものです。ちなみに、マスクなしの部分が1920x1280ですが、この写真をこれでトリミングするとこんな感じに。

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1920x1280トリミング後。ちなみに誰かわかります?笑

これ、めちゃくちゃ失敗写真で後ろの芝にピントがいっちゃってるんですが、それによって絶妙に誰かよくわからない写真になっているので逆に使いやすいという。浦和サポならまだしも、一般のサッカーファンがこの写真でこれが誰か判断するのは至難でしょう。

で、これくらいの大きさの写りに自分が満足できるかどうか、というのは結構良い基準になるのかなあと思います。もっと顔をドアップでいきたいんじゃ~!という場合には物理的に被写体に近づくか(埼スタ指定席の最前列ならもっと近く撮れると思います。結局被写体からの物理的な距離感が最重要なのは言うまでもありません。)、フルサイズ換算で600mmとか900mmみたいなすんごい焦点距離のいかついレンズを担ぐ必要があるというわけです。

現実的には望遠といえば200mm~400mmくらいの焦点距離までのレンズが一般的なので、サッカー選手を撮りたい!と思う場合はそういうレンズでなんとかやりくりすることになります。できれば400mm以上のレンズを使えると、アマチュアとしては焦点距離が足りないと思うことはほとんどないのではないでしょうか。

最初に確認した通り、交換レンズにはレンズマウントという型式があり、取り付けられるカメラが決まっています。フルサイズかどうか、ASP-Cかどうか、そしてメーカーによってもどのくらいの性能のレンズがどのマウントに対応しているかというのはまちまちなので、カメラを選ぶうえではそのへんから選んでいくのも良いと思います。最初にフルサイズのカメラでいくぜ!と決めてしまうと、300mm以上の望遠レンズを買うのに追加で25万円かかるの…ということにもなりかねないので。価格帯という意味でもASP-Cは入門レベルであったり、「比較的」お求めやすいことが多いので現実的だと思います。

風景を広くとらえたいという場合は広角レンズ(焦点距離が~24mmくらいのもの)を選ぶことになります。例えばこの記事の一番最初の写真は広角レンズで撮影したものです。埼スタの1階席から撮っていますが、これだけ広い画角でとらえることが出来ます。これは望遠レンズとは真逆の志向をもったレンズなので、それはそれでまた必要ということになります。焦点距離が短ければ一般的に接写に強かったりします。で、広角も望遠も全部いけるやつないんか?という場合にはズームレンズを選ぶことになります。結構便利なものだと5倍~10倍のズーム(例えば、20mm(広角)~200mm(望遠)までカバーできるもの等)があります。ズームレンズの欠点は一般的に明るく無いこと(f値が大きくなる)と、画質が安定しないレンズが多くなることですね。一方最高の画質と明るさを求める場合は単焦点レンズを使うことになりますが、これは50mmでしか撮れない、つまりズームが一切できない代わりに画質や明るさを最強にしたレンズで、鬼のボケ量と画質が武器です。こういった一長一短の選択肢から、自分が撮りたいものに合わせて自分のレンズを選んでいくことになります。それが楽しみであり、出費の元になるのですが。こういうのは、メーカー名+焦点距離でぐぐったり、以下のような写真サイトで気になっているレンズで撮られた写真を確かめたりするとイメージがつかみやすいです。ただサッカーを撮っている例はなかなか出てこないので、撮っている人に見せてもらうのが一番手っ取り早い気がします。

photohito.com

というわけで、何をどんな風に撮るためにカメラが欲しいのかは少なくともひとつ自分の中で持っておく必要があります。サッカーを撮りたいんじゃ!サッカー選手を!という場合は焦点距離の長い望遠レンズが必須になりますので、ASP-Cカメラと望遠レンズのセットで購入というのが一つのパターンになるのかなと思います。風景や街、スナップも撮りたいとなると望遠専用だと使いづらいので、例えば35mm~50mmの広角側から200mm前後の望遠をカバーしているレンズが選択肢になると思います。全てに最高を求めるとそれぞれに特化した製品をそろえていく話になるので結構大変ですが、スナップはスナップ、サッカーはサッカーという風に使い分けるのなら、スナップ用に標準ズーム、サッカー用に望遠ズームと使い分けるのが有力な選択肢ですね。

ASP-Cはカメラ側の機能もボディサイズなりに制限があるのですが、価格は間違いなくフルサイズより安いですし、あとは価格や持ってみた感じで判断することになると思います。

3.自分が機材のスペックにハマる性格かどうか

 ということで、ここまではASP-Cのカメラ+望遠レンズでサッカー撮りはなんとかなるのでは、ということを書いてきましたが、僕は結果的にはフルサイズのカメラを買っています。いろいろ悩むポイントはあったのですが、個人的に一番大きかったのはスペック面でした。解像度だけでは測り切れないカメラとしてのスペックを細かく調べれば調べるほど、(構造的にそうなのだから当然ですが)フルサイズの高い機能とASP-Cのミドルスペックを比較してしまう自分がいたわけです。僕はそこまでスペックオタクというわけでもないのですが、10万円~20万円、30万円という買い物ですから、そんなに簡単に乗り換えたり買い増ししたりするわけにはいきません。それを考えると、一回買って10年、15年納得して使えるものを買わないと結果的に投資額が大きくなってしまうのでは…という懸念が拭えませんでした。

前述したようにどんな画を撮るかはレンズの特性に大きく作用されますから、レンズを複数揃えたくなることもあるでしょう(というかレンズはマジで無限に欲しくなるので注意というか覚悟したほうが良いです)。レンズにはマウントがあるので基本的にはメーカー間で使いまわしがうまく効きませんし、既にたくさん商品が出ていて(出尽くしていて)成長が望めない古いマウントというのも存在します。古いマウントはすぐに一通りの商品が手に入りますがそれ以上の新商品が出る可能性が低いですし、それこそ10年、15年とカメラ側の機能が進化していく中で、新しいカメラを買ったけど今までのレンズではオートフォーカスが連動しなかったりしてその性能を引き出しきれない…つまり新しいレンズを買わねば!となってしまうわけです。これは困る!というかこれからカメラにハマって機能の進化の凄さがリアルにわかるようになったら絶対新しいやつほしくなる!という確信がある!という人は、たぶん思い切って今後も成長余地のあるフルサイズを買うという選択肢の方が逆に無難なのかもしれません。実際、フルサイズミラーレスの市場はまだまだ新しく、カメラの機能もまだまだ進化の余地があると思います(その分価格の上昇余地もあるわけですが)。実際、現在発売されている最上位レベルのレンズはカメラ本体の機能が1億画素レベルまで上がっても問題なく対応できるそうです。今フルサイズカメラはだいたい2000~5000万画素って感じですから、だいたい倍の性能になってもついていけるレンズということですね。その意味では、ASP-Cを買った後にカメラにハマってフルサイズに手を出すよりも、もうあきらめてフルサイズを大事にした方が良いという考えもあるわけです。僕がまさにそうなのですが。

実際、個人的にはフルサイズを買って後悔はほとんどありません(機材が高いことは仕方ないとして、重いことは将来どうにかなってほしいですが)。で、撮っていくと少しずつカメラのことがわかってきます。露出、シャッタースピード、f値、焦点距離、ISOその他もろもろのステータスがそれぞれどういう関係で何を意味するのかおぼろげにも掴んでくると、機材のスペックが本当に理解できてくるわけです。これは買う前には起こりえないことです。買って、使ってみて、慣れてきて初めてそうなるのだと思います。するとそこに沼が待っているわけです。自分が持っていない機材のスペックが輝いて見えてきます。それが間違いなく自分の人生に必要不可欠なものであると感じるようになります。金策を本当に考えだします。過去にほかの趣味でこういう症状が出たことがある人は中途半端にカメラを触るのではなく、最初からガチで行った方が結果的に安く上がりそうな気もします。それか、趣味としてのカメラはやめておくか。まあ、僕は買ってよかったです。

もう一つ、スペックに関連して重要なのはメーカー間の特徴の違いです。デジタル一眼レフは日系大手メーカーが世界の最先端を走っている分野なのでそれだけ国内の競争が激しいわけですが、レンズのマウントを考えるとそうそう簡単にメーカーを乗り換えるわけにもいかないのが現実で、プロのカメラマンでもレンズ資産を全てうっぱらってのマウント変更(メーカー乗り換)は一大事だそうです。僕は正直よくわかっていないのですが、色の発色なんかがメーカーによってだいぶ違うらしいので、いろいろ調べてみてください。欧州のレンズメーカーと組んでいる例も多いので、そういうところから選ぶのもいいかもしれません。

4.最後に肖像権のはなし

カメラについて書きたかったことはだいぶ書けました。カメラを趣味にする人間としては初心者を卒業したくらいのニュービーな僕ですが、自分がカメラを買うという一大決心をしたときにわからなかったこと、知りたかったことは結構まとめられた気がします。どうしても大きな投資になるので、なんとなく買ってもいいけど、思いっきり悩んでから買うのが良いと思います。買うときに悩んだから買った後に大事にするわけではないのですが、何を撮るために買ったのかはっきりしていればそれだけ自分が使いやすいものを買えるはずだし、そうすることで趣味が長く続くのかなと思います。

で、サッカー×カメラを趣味にするうえですっごく重要なのが肖像権の話なんですが、今年の年初の記事にまとめた通り、Jリーグではクラブ、ゲーム、選手に関わるあらゆる肖像権が厳格に管理されているので、選手の写真をSNSにアップするのは基本NGになると思います。

たぶんやっぱりほとんどNGなんですね。戦術的な要素もあるから仕方ないのかなあと思う部分もあるのですが。でも、「雰囲気として、スタンド全般やプレー中などで選手の個人肖像権が発生しない写真(個人が分からない場合)のみ 使用を可能といたします。」は参考になりますね。要は僕の新年のご挨拶画像につかったような写真はOKになるのではないかと思います。

結論としては、僕がせっかく買ったカメラで浦和レッズ的なもの、浦和的なものを撮影して作品として残したいぜ!と思ったら、どんなにがんばっても、「雰囲気として、スタンド全般やプレー中などで選手の個人肖像権が発生しない写真(個人が分からない場合)のみ 使用を可能といたします。」の線引きの中でやる必要があるということです。写真を撮れる環境が整ってしまっている僕としてはもうちょっと遊ばせてほしいのですが、まあこんなものでしょう。

www.urawareds96.com

 とはいえクラブもリーグも全部を検閲するわけにはいかないので放置されている事例が多いのだと思いますが、こういう事情も鑑みて「個人として」楽しむという線引きは各自でどこかに持っておいた方が安全だと思います。僕自身、選手の写真を使うのはこの記事で「写り」に関する資料としてが初めてです。個人的には、Jリーグが主体になって選手や試合を被写体にした写真をアップできる場所を作ってくれればとても盛り上がると思うんですけどね。そこまではまだ手が回ってないみたいです。

僕自身、この記事で使っているような微妙に匿名性が高いんだか低いんだかわからない微妙な写真じゃなくて、良い感じの選手写真もたくさんあって、どっかに公開したいんですけど、なかなか良い場所がないので個人的に友達に配るくらいしかやりようがありません。この辺は将来に期待するしかないのですが。

というわけで、カメラに関するチラ裏でした。コロナウイルスで大変な時期ですが、みなさんご健康でお過ごしください。また次回!

 

ちなみに、カメラを買いたいけどこの記事だけじゃイメージ湧かないからもっとどれくらいの機材で写りになるのか知りたい、という人はDMかなんかで連絡ください。たぶん参考になるものがあると思います。