オリヴェイラ体制初勝利から中2日。GW最後の試合となるのはオリヴェイラ監督の下でJリーグ3連覇を成し遂げた鹿島アントラーズ戦です。色々と因縁深い鹿島とのレッドダービーを振り返ります。
両チームのスタメン
両チームのスタメンは下記の通り。浦和は前節素晴らしい活躍で得点に絡んだアンドリューナバウトが肩の脱臼で離脱。全治にどのくらいかかるか未定ですが、レッズは中断期間までアンドリュー抜きで戦わなければならないようで、このままではオーストラリア代表にも影響が出かねないとのことで、せめてW杯には間に合ってほしいのですが…。ということでナバウトの代わりに武藤が先発復帰となりました。
浦和控え:福島、岩波、マルティノス、直輝、阿部、菊池、李
一方の鹿島は次の水曜日にACL Round16の上海上港戦を控えているということで4人ほど選手を変更していたようです。内田の状態は詳しくないんですが、内田の代わりに西を使えるのはサイドの選手が不足している浦和からすると贅沢な話です。
鹿島は「伝統の」4-4-2を採用。浦和は前節と同じく3-3-2-2(3-1-4-2)の配置で挑みます。この噛み合わせで考慮すべきは、浦和の後ろ4枚(3バック+アンカーの青木)に対する鹿島の前線2トップと、浦和のWBに対峙する鹿島のSHとSBの部分でしょうか。浦和は後ろに人が余っているため、ここを起点にビルドアップして良い形で前線の4on4にボールを入れたいところ、一方の鹿島は伝統的な強みであるサイドに起点を作ってからの中央の選手のフォロー+SBの追い越しでチャンスメイクしたいところでしょう。浦和の両サイドはWBが頑張ることになっていますので、ここが崩壊すれば即失点の危険があります。
インテンシティが高まりやすい対戦カード
浦和は前々節の湘南戦から3試合連続で対戦相手と同じ勝ち点同士の対戦。つまり、ここ最近は中位グループ同士の対決が続く日程となっています。今節の鹿島も浦和と同様に勝ち点15で鹿島が11位、浦和が13位というのが対戦前の順位でした。にも関わらずというかやはりというか、両チームのライバル関係や、今節は特に鹿島のレジェンド監督であるオリヴェイラ監督の凱旋試合(しかも浦和の監督として…)ということで、中位同士の対戦とは思えないほどの高いインテンシティと攻守の切り替えの激しさが見られた試合となり、それに応じて速攻の応酬となる様な場面もあり、なかなか息つく暇もないゲームとなりました。
最初の15分:浦和のビルドアップと鹿島の守備の整理
浦和は前節うまくいった3-1-4-2システムを継続し今節に臨みました。攻撃時の狙いは基本的に前節と同じで、2トップ2シャドーが待ち構える中央へどのようにボールを供給するかがポイントとなります。で、前節のおさらいよろしく、浦和は開始1分から早速左WBの宇賀神からダイレクトで中央へボールを供給します。
鹿島としては浦和が上位の川崎に完勝した前節はもちろんスカウティング済みなわけで、あっさりと三竿にカットしてカウンターを食らいました。この辺りのWBから中央へダイレクトでボールが入って来るという浦和の狙いには完璧に鹿島が準備していました。中盤に降りていく宇賀神には西はぴったりと背中に付き余裕を与えないことでターンやキープを選択肢から外し、左SHの遠藤は槙野にいつでもアタックできるポジショニングでリターンパスを牽制、最後に残ったダイレクトでの中央へのパスは三竿やレオシルバが予測して潰すという設計です。宇賀神はその後も何度か同じ形を狙いますがいずれも不発で、浦和は試合開始早々に前節機能したビルドアップを放棄しなければならなくなりました。前節は似たようなシチュエーションでマウリシオが上がっていくことで宇賀神からのリターンを受けられる体制を作っていましたが、今節では鹿島の守備陣形が非常にコンパクトだったことと、鹿島の2トップと遠藤が川崎よりも更に低い位置で待ち構えてからプレッシングに出てくるような形でしたので、上がっていくスペースも見つけられませんでした。ただ、逆に言えば狙いのビルドアップが機能しないとわかった瞬間に別の方法にシフトしたのは賢明な判断で、試合の印象を良くした要因の一つではないかと思います。
鹿島の守備が毎試合このような感じなのかは分からないのですが、浦和がビルドアップの起点に使いたかったWBから中央へのボールを封じるということは非常に上手くいっていたと思います。浦和はそれ以外のやり方を見つけてなんとか鹿島ディフェンス攻略しなければいけないということで、中央から大きく空いたディフェンスラインの裏を狙う攻撃にシフトしていきました。この時、浦和の両WBはこれまでと同様に高い位置を取っており、ビルドアップ隊が持ち運んでくるボールを待つポジショニングをしています。もちろん前線中央には2トップ2シャドーが待ち構えていますので、浦和は3-1-6でのビルドアップというミシャ時代以上にバランスの悪い前線偏重の配置となってしまっていました。
浦和はまず後ろの3枚でボールを動かして中央から前線4枚に縦につけるような狙いを見せていましたが、強固に圧縮された鹿島の中央守備に阻まれなかなかパスコースがなく、また前線の4枚にボールが入ってもプレーエリアがなく、フリックやワンツーのコンビネーションを狙いましたが綺麗に決まる場面はほとんどありませんでした。浦和は序盤このエリアでのボールロストに起因するカウンターを何度も受けているのですが、一方で鹿島のカウンターにもキレがなく、また浦和も前節同様に激しい人への守備が多くの場面で出来ていたため、致命傷に至ることはありませんでした。
単純に中央への縦パスも機能しなかったため、次の工夫として柏木や興梠が鹿島の左SH遠藤が槙野のチェックに行った後ろのスペースに開いてボールを受けたり、長澤が青木の横に入ってボールを引き出すような動きが見られました。
これに呼応して前線の選手は比較的高いラインを敷く鹿島守備の背後を狙うフリーランを増やし、6分には入れ替わりの激しいトランジションの中で長澤が中盤で前を向くことが出来たところから興梠が大きなチャンスを迎えるなど、徐々に攻撃の狙い目が整理されてきます。
浦和としては、鹿島の中央の守備との枚数の兼合いで浮きやすい青木を上手く使って中盤で前を向くことができれば良い形を作ることが出来るという感じでした。前線が裏のスペースを狙うことで鹿島のディフェンスが若干引っ張られ、WBに起点を置くことが出来ればそこにシャドーと青木がサポートに入ることでパスコースを確保出来るというのも形として見られたポイントでした。
ただ残念だったのが、いずれのチャンスもあと二歩というところで鹿島の守備陣に対応されてしまったことで、特に昌子が最後の砦の如くギリギリのチャンスを防いでいたことが印象的でした。図示したチャンスの場面以外にも青木の持ち上がりから武藤がアーリークロスを入れたシーン等、形としては鹿島ディフェンスを脅かすことが出来ていたと思うのですが、最後のところで繋がらずに鹿島GKの曽ヶ端にプレーさせるようなシーンを多く作れなかったことが残念でした。これについては浦和の選手の質の問題もありますが、やはり昌子が試合後のコメント通り、浦和のオフェンスの最後かつ最重要のポイントとして興梠を潰すというプレーを全うしたことが大きかった様に思います。相手ゴールを脅かすシーンを中々作れなかったことで、特に反対側のゴール前のシーンがなかなか確認できなかった浦和ゴール裏のサポーターにとっては歯がゆく印象の悪い展開になっていたと思います。実際に自分もゴール裏で観ていた印象とDAZNの映像の印象が結構違いました。
鹿島の攻撃時の狙いと浦和の守備
鹿島は攻撃時のSBの活用の上手さに特徴があるチームです。ボール保持の関係もあって回数自体は多くなかったものの、鹿島がポゼッションから攻撃を仕掛ける場面では鹿島らしい攻めとそれに対応する浦和の守備がかくにんできた場面がいくつかありました。
鹿島は攻撃時には両SBが非常に高い位置をとって幅取りします。その分SHは中よりにポジションを取り、2トップやボランチとの連携に移行しやすいポジショニングをしています。
またビルドアップ隊を担う後方の選手配置では、三竿が右に開き気味にポジションを取ることでパスコースを作り、レオシルバはなるべく真ん中にとどまって中央のパスコースを作るという印象でした。
鹿島の攻撃は主にSBにボールを入れたところから、中よりにポジションしていたSHがWBの裏を狙い、それに2トップやボランチ、後ろからSBの追い越しを使ってクロスまで持っていくというのが基本的な方法論だと思います。
どちらのサイドでも基本的に作りは同じですが、浦和はこれに対してWBがはっきりとSBを捕まえるようにチーム内の整理が為されているように感じました。WBが高い位置まで相手SBを捕まえに行く分、残りの4枚がしっかりとスライドしてペナルティエリアを4枚でカバーできるようになっていたので、鹿島はなかなか浦和の守備を思うように崩せていなかったのだと思います。このやり方では左サイドからの攻撃に対してペナルティエリアを守る擬似4バックが槙野、マウリシオ、遠藤、橋岡と全員CBが出来るメンバーなので基本的にゴール前の守備がかなり硬く、しかも橋岡がJ1のレベルに馴染んできたこともあってオリヴェイラ・レッズの守備の基盤はかなり整備されてきていると感じます。
ちなみに、4バックに全員CB型を並べるのはそこそこ取り入れられている手法で、最近では神戸が那須を右サイドバックで使うことがあるようです。最近はサイドでも空中戦の強さが求められる傾向にあり、電柱型のFWをSHで起用してミスマッチを無理やり作る戦術もあり、(ユヴェントスなど)サッカー選手のアスリート化という文脈からしても、今後は橋岡のように身長とフィジカルに加えて運動量をも兼ね備えた選手がSBで起用されるようになるのかもしれません。
「ちょっとしたところ」の勝敗
というわけで、鹿島は攻守にわたって苦労が多かった前半序盤となっていました。しかし、19分にエリア外左からのFKで永木が惜しいシュートを放ったことが流れを変えたか、ホームで先制点を手にします。
23分に右サイドで起点を作った西から中央の土居にボールが入ると遠藤から逆サイドへ展開、ボールを受けた安西からエリア内に上がったのはなんでもないクロスボールだったのですが、槙野が中途半端にクリアしたボールが土居から永木に繋がると、ターンしたところを青木が倒してPK。映像ではそこまで強く当たっていないので永木が上手くダイブしたのかもしれませんが、印象としてはPK止む無しというシーンでした。金崎がしっかりと決めて鹿島が先制します。
浦和としては西村さんの判断にケチを付けるよりも、改善出来たのは槙野の状況判断と槙野へのコーチングではないでしょうか。槙野はフリーだった上にクロスボールはスルーすればゴールキックになるなんでもない軌道でした。青木も試合後のコメントで反省していますが、あの場面では槙野に誰が(もしくはみんなが)声かけする事で防げた失点ではないかと思います。ちなみにその前のサイドチェンジが出る右サイドでも槙野の前で土居に起点を作られており、この場面の前後で若干浦和の対応が緩かったかもしれません。鹿島が上手く行っていたイメージは強くないのですが、こういった「ちょっとしたところ」から点を獲っていくのは鹿島がらしさを取り戻すキッカケになりそうで嫌ですね。
同点に追いつくべく攻勢を強めたい浦和はやり方は継続しながら攻撃を続けます。浦和は失点後の27分に良い形。失点前と同じく青木の近くに長澤が降りるパターンでマウリシオからボールを受けると、永木とレオシルバが寄せますがターンで否して大外の橋岡へ。橋岡は前節同様ダイレクトパスで鹿島の高いラインの裏を取り、武藤が走り込んでクロス。中で合わせた興梠のシュートはギリギリで戻ってきた西に当たってしまいましたが、これはオリヴェイラ監督が仕込み始めている浦和のスタンダードな崩しの狙いの一つだと思います。
その後も浦和は中央4枚の裏抜けに引っ張られる鹿島4バックの動きを利用したサイドチェンジなどを織り交ぜてピッチを広く使いながら攻撃し、サイドからディフェンスラインの裏、中央でのコンビネーション等で前半の主導権を握り続けます。34分には橋岡が一人で二度追いからエリア内で昌子を引っ掛けてGKと1対1まで持ち込むなど、惜しいチャンスを作り続けますが、本当にクリティカルな、決めなければいけないというレベルの決定機を作り出すには至らず、結局前半を1点ビハインドで折り返しました。
決め切れなかった後半。
両チーム交代なくスタートした後半は序盤は、浦和が決定機を多く作ることに成功しました。浦和は後半開始直後のFK崩れからボールを奪い速攻。マウリシオが武藤にスルーパスし曽ヶ端と1on1に持ち込みますが決め切れず。すると、疲労からか守備的になったか鹿島の守備陣形は全体が下がり、第1プレッシャーラインである2トップがハーフラインをまたいで鹿島の選手は10人全員が自陣で守備をするような状態に。しかも全体的にボールへのプレッシャーが弱まり、特に浦和の中央2トップ2シャドーが気になりサイドへのプレッシャーが疎かになるため、WBが前半にも増して空いていました。フリーになった橋岡から中央柏木へ斜めのパス、柏木がフリックして興梠が抜け出したもののまたも1on1を決め切れず。こぼれ球も反応できない場所に弾かれてしまい、後半序盤は決めるべき決定的なチャンスを決めることが出来ずに試合を進めてしまいました。
その後もWBを軸に攻撃を組み立てて行く浦和。64分には橋岡からダイレクトで中央の長澤へ、長澤から武藤のクロスに興梠が合わせる形を作るなど、この試合の中でも浦和は少しずつバランスを見つけ出し、鹿島の運動量とプレッシャーが落ちた分だけ余裕を持ってチャンスを構築していたと思います。おそらくこれが相手チームから対策されなければ、かなり高い再現性を有する攻撃パターンとなるのではないでしょうか。
上記の崩しの形を含め、前節、今節と浦和が見せたサッカーは、明らかに大槻暫定監督自体のものと違う物になってきていると感じました。徐々に徐々に、オリヴェイラの仕込んだパターンや攻守の動きの整理がチームに浸透しているのだろうと思います。4バックの監督というイメージが強かったオリヴェイラ監督ですが、WBを起点にした攻撃の構築も普通に出来ているのは、やはり伊達に長いキャリアを積んでいないということでしょうか。
試合は終盤マルティノスのクロスを中心に浦和が最後までゴールに迫りましたが、一点が遠く残念ながらそのまま終了。オリヴェイラの鹿島凱旋はチャンスを多く作りながらもほろ苦い1-0の敗戦となってしまいました。ただし、オリヴェイラが試合後にコメントした通り、試合は浦和が支配したといって良い出来で、負けてなお今後に期待させるゲームをしたという意味では価値のある試合をしたと言えるかもしれません。
ちなみに、マルティノスは決定機でのガッカリプレーが多かったので結構ネガティブな評価が多いようですが、個人的には川崎戦よりは良かったので悪くないと思っています。終盤のFKを含めてクロスの質は素晴らしかったので、もう少し試合に出して試合勘や最後のパワーの部分を出せるようなコンディションに持って行くと違ってくるのかなと思います。対面の相手をぶち抜いてクロスという、我々が期待してしまうプレーがなかなか出ないので印象が悪くなりますが、そもそもマルティノスはそんなに相手を抜ける選手じゃないのではという気がしています。クロスでのチャンスメイクは良く出来ていましたし、スピードを活かした裏抜けも意識していたみたいなので、チームやサポーターが期待し求めるプレーと本人が出来る事の擦り合わせが進んでいけば良い武器として使えるようになるかなという印象です。
オリヴェイラ・レッズについて考えたこと。このサッカーで行くならば…。
チーム全体としては、浦和は負けはしましたが悲観する内容では無かったというのが、映像を見返した印象です。ただ現地ゴール裏から観ていると前半の崩しは遠くて確認しにくい上にゴールを脅かすところまで行かなかったので迫力不足、後半も決め切らないシーンが多く終盤のパワープレーも不発でしたのでポジティブな要素の少ない試合という見方になるかもしれません。
浦和は、前節、今節と徐々に、しかし確実にオリヴェイラのサッカーらしきものが見えて来ており、今後のチーム作りにある程度の期待が持てる状態まで状況が建て直されつつあるのかなという印象があります。一方で、このサッカーが今後もオリヴェイラのサッカーになるのであれば、興梠以外にもう一枚質の高い外国人FWが必要かなと思います。まさにそれがアンドリューだったわけですが、オンザボールでキープして味方を活かしたり、中央の4枚のコンビネーションの起点になれたり、サイドからのクロスを確実に得点するという部分で、やはり武藤ではどうしても違いを作り切れていない現状があるのではと感じました。(武藤はやはりシャドーで輝く選手ですね。)また同様に、2シャドーの位置にもより精度の高いラストパスを供給できる選手が必要だと思います。要するにこのサッカーは中央の4on4を如何にして制するかの勝負なので、中央の4枚は出来るだけ個人の質が高い選手を並べる必要があるというのが印象です。最近柏木が90分持たなくなってきていることを考えても無理に使うよりも時間を調整しながらの起用になっていく可能性もあり、新しいエースの獲得がないとは言い切れません。この辺りのチーム事情と、中村修三GMが高らかに宣言する「5万人の観客を呼べる選手」の獲得がどう結びついて行くのかわかりませんが、鹿島黄金期にはマルキーニョスという万能FWを軸に攻撃を組み立てたオリヴェイラ監督ですので、この辺りの方針はすでにチームで話し合い始めているかもしれません。アンドリューを含めた強力外国人FW+興梠の2トップに、柏木、武藤、長澤、武富、直輝、新戦力が絡んで行く前線が構築できるとなると、代表クラスの選手を揃えておりやり方も整理されてきたバックラインの選手の質を踏まえれば、上位に進出して行くだけのチームが出来そうにも感じます。逆に言えば、現状の前線の戦力とこのサッカーでは今節同様「1点に泣く」試合を多く見ることになるかもしれません。
ただし、この方向性はまさに06年、07年のワシントン・ポンテ時代と同じもので、彼らのようなスーパーな外国人を前提にしたサッカーを嫌うミシャを招聘し、あれだけ「浦和のサッカーを作る」と言ってミシャをサポートしていたこととは真逆のものです。結局ミシャが去って以降全く継続性が無いままここまで来てしまいましたが、中村GMを中心にこのまま「原点回帰」が進んで行くのか、興味深いところです。
個人的には「浦和のサッカー」=ミシャサッカーと位置付け、後任がそれを引き継がなかった(引き継いだものとは思えない代物がでで出てきた)時点で、この方針こそ属人的なものであり、逆に言えばサッカー界において「属人的でないサッカー」が現実的に存在しないというだけのことでは無いかと思っています。もっというと、「浦和のサッカー」という哲学は戦術的な要件やポゼッション率などではない部分に宿すべきではないかというのが個人的な考えで、その意味ではオリヴェイラのサッカーはとても「浦和」的なものになるのではないかと期待しています。
ミシャ時代を支えてきた現在の主力選手も多くがほぼ全員が30代になり、今後は世代交代という難題とも付き合わなければならないオリヴェイラ・レッズですが、ACL優勝を以って終わったサイクルをどう片付け、新しいサイクルをスタートさせるのか、クラブマネジメントの面からも注目したいと思います。
鹿島について考えたこと
鹿島サポでも何でもないので偉そうなことは言えないのですが、今節の鹿島は、鹿島が持っている怖さがあまりありませんでした。思いついたところでは、カウンターの鋭さと特に攻撃面の連動性が落ちているのかなと感じました。カウンターにかける人数が減っている印象は無いのですが、走るコースやパスの出るタイミングなど、どこかちぐはぐな印象で、これまで苦杯を舐めさせられ続けてきた一浦和サポとしては、いつもの鹿島はもっと怖かった気がするなあと思いました。これが今の選手の質や層によるものなのか、大岩監督になってのネガティブな面なのかよくわかりませんが、なかなか順位が上がらず、得点も取れていないということで鹿島も苦労していることがよくわかる試合でした。ま、負けたんですが。
あと、ハム焼きはもう少し列を捌けるように焼く人をもう一人増やして数的不利を補った方が良いと思いました。
それでは今節も長文にお付き合い頂きましてありがとうございました。