96のチラシの裏:浦和レッズについて考えたこと

浦和レッズを中心にJリーグの試合を分析的に振り返り、考察するブログ。戦術分析。

主作用と副作用。清水のハイペース・ゲームを制御できずドロー。 Jリーグ第23節 vs清水エスパルス 分析的感想

前節は悩める磐田に大勝し、久々に勝ち点3を手にした浦和。中3日で続く今節第23節は、同じ静岡県勢の清水エスパルスとの対戦です。

 

両チームスタメンと狙い

両チームのスタメンは下記の通り。

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浦和側控え:福島、荻原、武富、柏木、マルティノス、長澤

 

驚きだったのは柏木のスタメン落ちと阿部のスタメンボランチ起用でしょうか。前節出場停止のマウリシオの代役を完璧なまでに果たした阿部の体力的なケアはオリヴェイラ監督も言及したところ、連戦となる今節はベンチからの起用かと思いましたが柏木の温存には少し驚きました。また、両WBも森脇に替えて橋岡、宇賀神に替えて菊池を先発起用とターンオーバー。どうやらオリヴェイラ監督uは次の天皇杯東京ヴェルディ戦に必勝を期しているようで、天皇杯経由のACLを本気で狙うということでしょうか。これまでの監督はなんやかんやでリーグ第一、というか浦和関係者は基本的にはリーグ第一の志向ではないかと思いますが、オリヴェイラは違います。さすがの勝負師っぷりですね。ここで勝てば上位と一気に勝ち点2差もあり得るこの中位同士の潰しあいでのターンオーバーは大きな決断だったと思います。

一方の清水は、事情はよくわかりませんが最初からアタッカー祭りの予感。ボランチの片方に白崎を起用し、両サイドは金子と石毛の小柄スピードスターコンビ、前線は日本復帰を果たしたフィジカルお化けドウグラス、さらに清水期待の星の北川航也が並びます。カードゲームで遊ぶ時に強いカードから順番に出すノリで生きる友達みたいなスタメンでした。ちなみに前回対戦時のキーマンだったボランチの竹内は怪我なのかベンチ外。前回対戦時は彼が最終ラインに降りるなどでゲームメイクしたところから失点しており、清水の攻撃的SBによる爆撃の起点となる竹内の不在がどう響くかもポイントです。

 

間に合わなかった摺合せと早すぎた失点

試合は開始直後から慌ただしい展開となりました。キックオフの瞬間から清水の2トップは浦和最終ラインめがけて鬼プレス。これに右SHの金子も続き、2トップ+SHのどちらかを使っての浦和の3バックへの数合わせプレッシングでスタート。浦和が蹴りだしたボールを回収すると、4-4-2らしく片方のサイドに人を集めて数的優位を作り、細かいパス交換から浦和陣地に迫ります。

一方の浦和も、ターンオーバーとなってアピールしたい橋岡を初めとして前からのプレッシャーで応戦。これまでの試合で見せた相手の攻撃を受け止める守備ではなく、繋ぐ相手に対してボールを追い込みにいくディフェンスで対応します。清水の両SBはビルドアップに参加するというよりもかなり早い段階で高い位置を取っていて、ビルドアップは2枚のCBとボランチに任せている感がありました。このため、清水最終ラインでのビルドアップに対しては浦和の5-3-2守備でもボランチが出ていくことで4on4の状態を作り出すことができていました。

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こうなると清水は苦しいはずなのですが、奥の手があるのが今の清水の強み。危なくなったら潔くGK六反まで戻して蹴っ飛ばします。待ち構えるのはドウグラス、そしてセカンドボール待機部隊と化す両SHと北川。デザインされたロングボールから、北川がボールを収めると素早く裏を狙うドウグラスへ再度ロビングを狙うなど、攻め方はチームでかなり共有されているようでした。

清水が押し込んでからの攻撃は、前回の対戦時同様に両SHが中央に入り込み、2トップ+2シャドーの関係性を構築、攻撃時の幅取部隊は両SBが高い位置に張り出すことでその役割を果たします。こうなると苦しくなるのは浦和で、最終ラインの5枚ではSB+2トップ+2シャドー+SBの6枚に対応しきれません。

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浦和は数的不利~同数になりかねないバイタルのケアが必要で、いつも通り武藤も下がって中央ケア。2トップも自陣に戻して守備に人数を割きます。しかしここで難しかったのが、2トップの脇。後方から持ち上がる河井をフリーにすると、中盤の武藤と青木が捕まえる前にパスを捌かれます。

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ここで上手かったのは北川で、河井がフリーで前進し次のアクションに槙野が気を取られた瞬間に静かに距離を取りフリーになると、パスを受けた瞬間に槙野が食いついた裏へダイレクトで股抜きスルーパス。「自動」とも言えるタイミングで反応した金子が裏をとり、美しいワンタッチシュートを決めたのでした。

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このシーン、前述の通り清水が中央に4枚集め、浦和の3バックに対して圧力をかけてくることはわかっていたはずですが、浦和としては清水の出方に守備をアジャストする前に決まってしまった予定外の失点だったように思います。パスが出る直前、河井がボールを運ぶ瞬間は、橋岡が絞り気味のポジションから清水の左SB松原へボールが出た瞬間にアタックする準備、岩波が石毛を監視、マウリシオはドウグラス、槙野は北川、阿部は金子をマークしており数的同数、中盤の武藤は横幅を取る左SB松原に意識を向けつつも中央にステイしパスコースを切っています。ここで青木が武藤と同じく河井からの縦をケアして武藤と被り、逆ハーフスペースで浮いた北川へのパスコースが空いてしまいました。

改善はいくつか考えられますが、一番重要なのは青木のポジショニングで、武藤がケアする縦パスのコースに青木が引き込まれ、彼が埋めるべき中央のスペースが空いてしまいました。もちろん青木としては武藤がはっきりと河井にアタックしてくれれば自分はカバーポジションがとれたのに、という見方もあるのですが、そこには清水の左SB松原が大外に開いているケアは武藤か橋岡か?の整理があり、武藤がサイドを気にしつつより優先度の高い中央を消していたという状況でした。ここで武藤が河井にアタックしたとして、河井は大外の松原を使えるわけですが、ここで橋岡が出るかでないかの整理がなければ、松原はフリーでクロスを上げる可能性があります。実際には橋岡は松原をケアする準備ができていたのですが、ここの整理がチームでできる前の時間帯だったのでしょう。

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この状況での武藤の守備は中央を切りつつサイドのケアにいけるギリギリのポジショニングで、状況としてはやはり武藤は動けず、青木が我慢して中央を埋めるべきシーンだったと思います。とはいえ、青木も柏木同様埋めるよりも潰すのが得意な選手ですので、彼の個性として中央がある程度空いてしまうことを前提にするのであれば、ファブリシオか興梠に中盤を埋めるような役割を課すこともできなくはありません。しかし一方で安易にFW中盤に戻す約束を作れば、その分最前線の孤立化を招き、陣地回復が難しくなるという弊害を考慮しなければいけないが難しいところです。

こういった整理は試合をしながら選手間でゆるやかな、もしくははっきりと合意を作っていくものですが、その摺合せを行う途中の開始5分でいきなりの失点となってしまいました。このオリヴェイラ体制では最速の失点は、今節の派手な試合展開の明確な導入となったのかもしれません。それにしても北川のワンタッチと金子のランのタイミングも完璧でした。あれをやるための2トップ2シャドー化なのはわかるんですが、開始5分であれを決められると困ります。

 

「宝石」の輝きで即同点。試合の鍵となっていく阿部のポジショニング

さて、立ち上がりから攻撃に最大8枚使って浦和を圧倒してくる清水。浦和の最終ラインはまずドウグラスの裏狙いでラインが下がり、押し込まれるとSBの幅取と中の4枚+ボランチへの対応に苦労します。とはいえ、それだけ人数を掛けれて前のめりになれば裏が空くのは当然、ということで、浦和の前線は基本的に裏に仕掛けます。

9分、浦和のビルドアップ。中盤でボールを受けた青木がいきなりのロングボール。前のめりにポジションをとっていた清水の右SB飯田の裏をついたファブリシオが鬼の胸トラップ。これが慌てて戻った飯田のハンドを誘い絶好の位置でFKを得ると、久しぶりにアベッカムが炸裂し完璧なキックですぐさま同点に追いつきます。オリヴェイラが「宝石」と呼ぶほどのタレントを見せ続ける36歳が、クラブ最年長ゴール記録を更新した瞬間でした。

しかし、失点してもめげない清水。それまで同様に前線に枚数をかけ、後ろからの放り込みも駆使してダイレクトプレーをベースにしたハイテンションな試合を仕掛けます。浦和としては彼らのゲームモデルに乗らない方法もあったのではないかと思いますが、清水の攻撃時に相手の2枚のCBしか守備の準備ができていないことはわかっていますので、どうにかそこを使うために裏への早い攻めをどうしても選んでしまいます。11分には西川のクリアをファブリシオが引っ掛けてゴール前へ、エリアギリギリでファンソッコが潰して同じような場所でまたもFKも、これは得点に至らず。

16分、オリヴェイラ監督が動きます。阿部にポジショニングの指示を出すと、これが良くも悪くも試合を動かしていきます。オリヴェイラ監督の指示はおそらく阿部に最終ラインを気にさせ、必要であれば槙野と菊池の間にできるスペースを早めに埋めるように、というものだったと思われます。前述の通り、清水の6枚攻勢によって浦和の最終ラインでは局所的な数的同数が起きており、最初の失点のように金子の中央侵入とワンタッチが決まると非常に危険な状態でした。これを解消するために、阿部に最終ラインをケアさせることでゴール前で一枚余らせることを選んだのでしょう。

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何事も、(主)作用があれば副作用があるもの。今回のこの采配は、最終防衛ラインに保険をかけた一方で、バイタルエリアの枚数不足という副作用がありました。阿部のサポートを得た浦和最終ラインですが、これによってボールの出どころへのプレッシャーが弱まり、試合の展開としては押し込まれていくことになりました。それに併せて浦和は最終ラインを下げますので、清水が攻略したい裏のスペースを消すことは出来ます。一方で苦労したのがセカンドボールで、この時間帯以降、セカンドボールを支配する清水が攻撃を繰り出していく時間帯となり、26分の河井のミドル、28分には石毛と岩波のエリア内の1on1からのシュート、28分にもコーナー崩れからの金子のミドル、そして30分にはバイタルを河井に使われ、浮き玉に抜け出したドウグラスボレーシュートが西川を強襲。こぼれ球はなんとか西川がキャッチしたものの突っ込んだ北川と交錯、金子がこぼれ球を蹴り込む、というシーンに繋がります。もちろんこれは北川のファールでノーゴールとなりますが、試合の流れとしてはここで失点してもおかしくない時間帯でした。

痛んだ西川の治療の間、オリヴェイラ監督は選手を集めて再度の修正を行います。あまりはっきりとピッチには現れませんでしたが、おそらくここでの修正はファブリシオを下がらせる5-4-1への移行と思われます。阿部が最終ラインのサポートで下がる分枚数が減る中盤の補強ということでしょう。実際、戻りが十分だったかは別としてこの修正から前半終了まではファブリシオの守備意識が高く、中盤を埋めようとするポジショニングが見られました。もちろん、この修正にも副作用があることはご推察の通りで、5-4-1にしたことで浦和の最前線では興梠が孤立気味になると同時に清水のビルドアップにはほとんどプレッシャーや制限が掛からなくなりました。

それでも最終ラインと中盤に撤退守備を構築出来たことでいくらか試合は安定し、40分には興梠とファブリシオが絡むロングカウンター。そして41分にはファブリシオの正確かつ美しいサイドチェンジから橋岡vs松原の1on1。やはりSBを外に引き出せばハーフスペースで武藤が生きるということでパス交換から武藤が松原、そしてサポートに下がっていた石毛の背後を取り、エリア内でターンからマイナスのクロス。ファブリシオがダイレクトで合わせたまでは完璧だったのですがここは六反のセーブとなりました。浦和としてはこのチャンスを決めていれば守ってカウンターの展開に引き込めたので、これは六反の重要なセーブだったと思います。

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点を取り合った後半、清水にとっては運のない試合に。

前半は清水のエネルギッシュゲームモデルを浦和がどうにか制御しようと苦心した、という感じでしたが、後半はよりエキサイティングな内容に。50分にドウグラスがFKから勝ち越しゴールで幕を開けます。橋岡はまたもセットプレーで自分のマークから失点ということになりましたが、ドウグラスが先に飛んで腕を乗せて橋岡を抑えており、鳥栖戦で高秀先生に決められたのと似たパターンのやられ方となりました。ただ、技術としてはドウグラスは流石に上手く、あれをファールとは誰も言えないと思います。橋岡、またひとつ良い経験。

で、浦和としては前半安定を見せ始めた撤退モデルのまま時間を進めて、清水が疲れてきたら攻めに転じるか、という感じだったかなと想像しますが、後半早々の失点でオリヴェイラ監督が動きます。59分に岩波に替えて柏木を投入。オフェンスコンダクター、巨匠・柏木に同点・逆転を託します。同時にマウリシオを右に出して阿部をCBに据えるポジション変更。試合後のコメントでは「最終ラインからのボールの質を高めるため」との事でしたが、磐田戦のパフォーマンスも総合すると、阿部は今後CBの一番手になっていくかもしれません。

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さて、巨匠・柏木を迎えた浦和はビルドアップを狙いますがサイドに出したボールに厳しく詰める飯田。菊池があっさりかわされると、そのままCKを取られます。このままピンチかと思われましたが、このCK起点でカウンター。武藤がサイドを運んで中央のファブリシオへ。トラップをミスったファブリシオですがそのままプレッシャーをかけるとボールが自分の進行方向へ。エリア内に侵入しシュートを放つと、ギリギリで脚を伸ばした河井にかすってコースが変わり、さすがの六反も反応出来ず。ファブリシオが今節も結果を出してまたしても浦和が同点に追い付きます。

これで今日は清水の日じゃないな!いける!と思ったのも束の間、今節は作用・副作用がテーマということで、柏木投入の副作用がさっそく表出。浦和の守備は柏木、青木、武藤の中盤となった5-3-2でしたが、この中盤3枚は前半の阿部のように最終ラインを気にしません。清水の攻め方のコンセプトは変わりませんので、最終ラインで枚数が足りません。で、どうなるかというと、永遠のバイタル大好き少年こと金子が柏木の背後を取り、中央に枚数を集結、結果的には北川に縦パスが入り、ターンからシュート。

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阿部にディフレクションしたボールがループ気味に西川を超えると、バーに当たったボールの跳ね返りをいち早く捉えた金子。結構難しいボレーシュートでニアを抜き、自身今節2点目のゴールで三度清水が先行する展開となりました。

普段見ない選手なので、正しい評価が出来ているかは自信が無いのですが、金子と北川、あと河井は清水の中でもすごく良い選手になったなあと思いました。金子はバイタルに侵入させたらなんでも持っていますし、小柄ですがパンチ力のあるキックがあるのでセカンドトップにはうってつけ、北川もボールを引き出して味方に落とす、又はターンして自分で前を向くというプレーがとても滑らかで、彼のテクニックをプロの舞台で使えるようになってきているのかなと思いました。今後の彼らが今節見せたようなパフォーマンスを続ければ、自然とキャリアアップが出来るのではないかと思います。その時は是非、「王国」で待っています。

リクルート活動は置いておいて、三度先行されるというオリヴェイラ・イズムからすればありえない展開となってしまった浦和。実は今季はじめての3失点となりました。あまり勝ってないから意外でしたが、たしかに失点は少なくきていただけに苦しい試合となりました。浦和はやはり上手いこと橋岡vs松原を作り出し、松原の引っ張り出されたスペースを武藤が攻略、のパターンに可能性を感じました。逆サイドでは地味に菊池が良いクロスを上げていましたが、いかんせん菊池はクロスを上げる前のプレーが弱いのと、点を取る位置に入っていくファブリシオとの連携もなかなか期待出来ずとなってしまい、なかなか機能したとは言い難いという印象です。

ただこの試合は何故か「持っていた」浦和。71分、CK崩れのボールを青木が放り込むと、槙野のバックヘッドがゴールに吸い込まれ三度同点。よく見るとCKのマークのままドウグラスが槙野についており、清水のバックスはラインを揃えることが出来ていませんでした。自身のJ1通算300試合を祝う同点弾を決めた槙野は流石ですが、清水としては運が無かった失点となってしまいました。

 

良い試合では無かったが、オリヴェイラ監督の決断を尊重したい

直後に浦和は興梠に替えて李を投入。柏木を中心としたビルドアップから、WBにボールが収まると柏木が前線に入っていくことで逆転弾を狙います。77分には菊池に替えて長澤を投入。これまで攻守にさんざん走ってきた武藤を試合終盤にWBに据えてさらに走らせるという働き方改革もビックリの鬼畜采配で勝負に出ます。オリヴェイラ監督としては同点後も菊池のかる〜い守備対応から清水の右SB飯田に深い位置に侵入されCKを与えてしまうなどしていたこと、菊池の体力的な問題、あとは中盤中央を締める意味での長澤投入との意図だと思います。ちなみに、菊池については僕は一貫して浦和の使い方が悪いと思っていて、彼はもともと3-4-2-1のシャドーをやっていた選手です。シャドーやらせてプレッシング犬として使えば良いだけの話だと思っています。平塚市にお住いのブリーダー・曹さんの心中いかばかりか。浦和ではミシャ時代含めて一貫してサイドで使われていますが、端的にいうと本人の資質と経験、引き出しにマッチしていないポジションだと思います。もちろん一方で、ミシャ時代含めて昨日始めたわけじゃないんだから、とか、試合出てる以上もうちょっと期待したいんだけど、という部分もあるのですが。

さて、試合は最終盤。3回リードして3回追いつかれて、ホームでこれでは終われない清水と、ここまできたら逆転してACL争いに本格参入したい浦和、それぞれの思惑から試合を決めに攻め合います。清水は80分に石毛に替えてクリスラン、84分には北川に替えてデュークを投入し、ドウグラスと合わせて世紀末的な絵面の怖いお兄さんたちを使って突撃してきました。浦和は青木、長澤の高インテンシティに耐えられるユニットで中盤を塞いで対応。それでも最後の最後には左サイド松原のクロスが橋岡の手に当たってハンド、最後のFKは青木にかすってあわやというところでしたが西川がギリギリ手中に収め、結局引き分けとなりました。

浦和としては勝ち点1の積み上げにとどまり、今節も順位を上げることは出来ませんでした。勝ち点は1積みあがったわけでネガティブになる必要は無いのですが、このまま試合数をジリジリ減らしていくのも嫌なもの。どこかで連勝してせめて4位に近づいておかないと、モチベーション的にも難しくなってしまいます。とはいえ、クラブはACL権獲得の本命は天皇杯と考えているようですから、消耗をコントロールしたい柏木や宇賀神、森脇を温存してのこの内容、結果であれば引き分けやむなしというところかもしれません。(正直、すでに天皇杯に勝利したことを知っているので、後出しジャンケンではあるのですが。)

ということで、対4-4-2としてはオリヴェイラ体制ではじめて勝てなかった相手となった清水。バランスの取れたチームではありませんが、キラリと光る選手の質が楽しいチームだった上に、浦和のWB対応には極力石毛や金子のSHが守備に戻るといったルールも共有されており、最近は勝てていないようですが、面白いチームだと思いました。たぶんドウグラスが入ったことで無理にビルドアップをする必要がなくなり、彼を使って深さまで作れるので、これまでせっせと集めたアタッカーにスペースが用意出来ているということかもしれません。あとは竹内がいなかったのに河井が非常に良い選手だったのでビックリしました。今後は浦和のACL権獲得のためにも、ライバル達を倒しまくって浦和のすぐ後ろの5位か6位くらいになる感じで躍進して頂ければ幸甚です。

 

今節も長文にお付き合い頂きましてありがとうございました。