セレッソ戦から中3日。上位について行くためには負けられない鳥栖との一戦です。
ゲーム前順位では16位の鳥栖ですが、コロナの影響で試合数が極端に少ないチームなので順位は実力を反映していないでしょう。勝ち点=ゲーム数の札幌その他が12位前後なので、単純にそれと同等かそれ以上の実力と考えておかしくないのではないかと思います。浦和は前半戦最終節が川崎戦なので、自分たちより現在の順位が下の鳥栖、札幌との2試合は負けられません。
両チームのスタメンと狙い
両チーム前節からメンバーを入れ替え。浦和は久しぶりに柏木が先発。また左SBに岩武が先発しており、このあたりから固まりつつあった序列を再考したい、別の要素をチームに持ち込みたいという意図が伺えます。一方エヴェルトン→青木の入れ替えはコンディション面が大きそうです。
以下はゲーム前のツイートですが、だいたいの両チームの狙いはこんな感じで考えていました。
これに便乗して僕なりのプレビューにしよう!
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
まずこの対戦を具体的に考える前に、両監督の話をしたいと思います。大槻監督と金明輝監督にはちょっとした共通点が多く、そこを知ると面白いのではないかと思います。 https://t.co/lcReNfRVOb
大槻監督も金明輝監督も下部リーグでプレーしその後スタッフを経てユース年代で育成に携わり、その後トップチームへという経歴で、大枠では類似した経験の持ち主(1枚目が大槻監督、2枚目が金明輝監督)。二人とも育成年代の指導を通じて戦術的な部分を磨いてきたコーチと言えると思います。 pic.twitter.com/FUXPg4nHVt
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
浦和vs鳥栖の戦いは、ここ数年両チームの監督がころころと変わってきた経緯があり、大槻体制vs金明輝体制の初対戦は昨年こと。対戦時には大槻監督が金明輝監督の手腕を称賛するコメントを残すなど、お互いに考えていることが似てるのではないかと思わせます。 pic.twitter.com/MWYdsAzvHn
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
そんな二人の指導歴は2016年〜2018年にユース年代でも被っており、上記コメントで言及していた対戦はおそらく2016年のJユースカップ2回戦のことではないかと思います。この試合は激戦の末に浦和が勝利しました。浦和は橋岡が決勝点を挙げており、プロになった選手が多く出場した試合でした。 pic.twitter.com/L3XKjNHsZy
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
この試合は以下リンクでレビューされていますが、金明輝監督の「最後身体張ったり。あそこで守る、守らんはレッズの子たちの方が一枚も二枚も上ですね」とのコメント通りお互いに戦術をぶつけ合いながらも球際やゴール前の最後の部分を強調していたのが印象的です。https://t.co/g88JkMmG66
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
で、現在。お互いに認め合い戦術的にも近い志向を持つ両監督の対戦は昨年の浦和Hでは2-1で浦和、鳥栖Hでは最後に健勇がPKをとって3-3と、得点が比較的多く入るゲームになる傾向があります。つまりお互いに相手を消す戦術よりも、自分たちが上回る戦術を優先して準備しているのでしょう。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
従ってお互いに相手の弱点を突こうとするだろうと思うわけですが、戦術的に違いがあるのはサイドの対応。SB-CB間にできるチャンネルを、浦和はCHが下がって、鳥栖はCBが出て行って対応します。このチャンネルの攻略が一つのポイントになると思います。その意味で鍵となるのは両サイドの2on2でしょう。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
また、鳥栖はCBがゴールキックを始めて中央でGKがオンザボールからビルドアップを始めるため、ここを浦和が狙う場面がありそう。一方でお互いにボール保持では立ち位置を意識させたボール回しを志向しつつもいざとなったらロングボールを躊躇なく使う点も類似しています。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
その意味で最後はやはり球際。志向が似ているからこそ、両監督の対戦は最終的には両者が強調する「どれだけ身体を張れるか」に収斂するのでしょう。お互いのメンバーを変更は戦術的な意図ではない部分もあると思いますが、セカンドボール等の主導権争いで負けないことが非常に重要になりそうです。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
というわけで、注目選手は柏木と岩武!(前置きが長い)
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
で、スタメン変更にかかる浦和の意図は、セレッソ戦の出来を考えればわりとわかりやすいのではないかと思います。セレッソほどセットディフェンスが堅いチームはなかなかありませんが、やはりボール保持でこれまでとは違うものを見せなければいけないという意図が柏木起用にはあるはずです。
鳥栖戦、もしオフェンスに何か違いを出そうとするなら、右SHに柏木が観てみたいかもしれない。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月7日
柏木起用はセレッソ戦の直後に僕もツイートしているので、大槻監督の考えと僕の想像が(結果的にしろ)近いという前提で考えてみます。参考になるのはセレッソにおける清武ですが、ボール保持でまず重要なのは最終ラインからの前進、ビルドアップの部分です。セレッソにおける清武はSHで出場していますがサイドに張るというよりは中にポジションを取り、頻繁に中盤の底に降りてくることでビルドアップを助けます。
次の段階では仕掛けの場面を創出することを狙うわけですが、セレッソの場合はドリブルで勝負できる選手として逆サイドに坂元が、そして前節の場合は清武の後ろに片山が配置されていました。清武が降りれば片山が高い位置を取って仕掛けられる、そうでなければ清武からサイドチェンジで坂元が勝負というのが前節の構造でした。浦和で言えば関根がドリブラーとして信頼できますが、これまでの浦和はどちらかというと左サイドでボールを保持することが多く、逆サイドからオープンな状況で関根に勝負させるという形は作れていませんでした。従って柏木が逆サイドに入ることで、こうした場面を作り出したいという考えが僕の中ではありました。もう一つは橋岡の存在で、CB出身の彼にインサイドに入り込んでビルドアップをどうこうするという役割は難しいので、基本的に大外を走らせたい選手です。ただ長澤との連携を見る限り長澤がボールをキープして外から走り込む橋岡を使うという場面はなかなか作れていませんでしたから、改善の余地があると考えていました。最後に2トップとの連携で、トップ下としてボールを配給することに関して柏木以上の選手はいませんから、2トップの質を最大限活かすという意味でも期待できます。浦和はCHにゲームメイクするタイプの選手を置かず、トランジションやプレッシングに対応できる守備で無理が利く選手が重用されていることもあり、前線に配給できる選手の存在はボール保持の面では助けになるだろうと考えていました。またシャドーのようにトップにボールが入ったサポートも期待できるでしょう。これらのメリットを享受するためには浦和の現在のゲームデザインであるプレッシングやトランジションの強度を一定程度削る必要があり、今まではその選択肢は優先度が低いだろうと思ってしましたが、セレッソ戦のようなゲームをした後では可能性があるのでは、という考えでした。
一方の鳥栖は、金明輝監督の下4-4-2を採用し、鳥栖らしいアグレッシブな守備をベースにボール保持からのゲームコントロールに積極的に取り組んでいる好チームです。選手の質という問題はありますが、立ち位置、ボールの受けた方、引き出し方、ボールの持ち方、サポートの人数などがよく整理されています。具体的にどういうやり方をしていたかは後で観ていくとして、正しい立ち位置を取って相手に対して優位を取り、そこからのサポートで二人、三人目の選手が関わることでゴール前に入り込みたいという意味では大槻監督がオフェンス面で目指している(であろう)ものと志向は近いのではないかと思います。
勝ちに行く戦術
立ち上がりは個人的には意外な展開で、セットした状態での攻防が続くこととなりました。鳥栖は前節最初の15分程度、横浜FCに対して強烈なプレッシャーをかけ、ピッチ全体でハイテンポなゲームを仕掛けて先制していたため、立ち上がりから同じようなやり方になるのかと予想していましたが、そうではないようでした。浦和はなるべく高い位置で奪いたいという意図を変えていなかったように思いますので、事情は鳥栖側にあると思います。おそらく最初からオープンなゲームを作ってしまうと選手の質で勝る浦和を助けることになると考えて、ある程度盤面と展開をコントロールしようという意図だったのではないでしょうか。GK高岳を使った最終ラインでのボール回しを日常的にやっている鳥栖にとっては、浦和がプレスにくるとしても2トップに対して3枚を確保できるので、相手が前から来るならば最終ラインで作った優位を活かして浦和を裏返そうという考えだったようです。
前半のポイントとなるのはやはりサイドの攻防だと思います。特に浦和はサイドの守備においては今季これまで採用してきたやり方とは違う守備戦術を取っており、それがゲーム展開に大きく作用したのではないかと思います。
通常浦和のサイドの守備では、大外でボールを持たれる場合は最終ラインのSBとSHがそれぞれの立ち位置を見ながらどちらが出ていくべきかを判断しています。深い場所でなければSHが、深い場所やSHが戻り切れていない場合はSBが対応する、という形で、ボールがサイドに入ったときの状況にもよりますが、SBが出ていったとしてもSHがサポートするのが鉄則です。
それが今節においては、サイドにボールが展開された時、ほとんどの場合はSBがボールマンに出ていくという形になっていました。プレーを見ていると、多少距離が遠くても橋岡、岩武が積極的にというか自主的にボールに出ていっている感じがしたので、チームとして約束を作っていたのでしょう。鳥栖は今季の鹿島と同じようなセットフェンスの配置を採用しており、大外高い位置にSBを上げ幅を取らせ、その代わりにSHは中央に絞ってトップの選手と連携して中でプレーします。ここでボールを奪えば高い位置にSBを上げている鳥栖の裏を浦和のSHが取れることになりますから、相手を裏返して質の高いファストブレイクを発動することが出来る、という狙いだったかもしれません。実際に前半3分の場面では橋岡が高い位置で相手のSBにプレッシャー、こぼれたボールは高い位置の柏木へ。柏木は少ないボールタッチで裏へ走り出したレオナルドへ柏木らしい優しいスルーパス、ゴールに向かうレオナルドに並走する興梠がフリーという場面を作り出しました。浦和としてはこういう展開が狙いだったのだと思います。
一方でSBが距離が遠くてもボールに出ていく、場合によっては鳥栖のSBvs浦和のSBという場面を作るということは、彼らの背中に大きなスペースが生まれるということですが、これはCBのスライドでカバーする形を選んでいたようです。普段のセット守備ではゴール前の一番危険なエリアに構えることが多い浦和のCBは、この構造に引っ張られる形でエリア外の守備機会に晒されていました。鳥栖のセットオフェンスの配置上橋岡が相手SBに出ていけばその背中側のスペースでは浦和CBの周りに鳥栖のSHとFWが位置するため、局所的にCBが数的不利に立たされています。
相当状況が悪くない限りは普段ファールが少ない選手であるトーマスが前半4分に危険なファールでイエロー(場合によっては一発退場でもおかしくない危険なファールになってしまいました)をもらったのは、こうした戦術的な負債がトーマスの担当するエリアに積もってしまった結果ではないかと考えています。実際にファールの場面では、中央の梁を経由して左SBの大畑へ、ここに橋岡が出たことで中央から外に流れるSHはトーマスのマークになりますが、そのトーマスの背後から流れてきたチョドンゴンにボールが入り、遅れたトーマスが深く足を入れてファール、というシーンでした。もちろんトーマスがあそこまで足を深く出す必要があったかどうかと言えばNOではないかと思いますが、トーマスとしては自分のマークとは別の選手が自分の近くでボールを受けたことで、1on2に晒されている危険を感じてギャンブルに出たのではないかと思います。
このイエローは戦術的な無理がトーマスに来ちゃったな。怪我がないと良いけど…。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
これはプレビューツイートで確認した通り、大槻監督の「勝ちに行く」戦術だったと思います。やろうと思えばいつも通り最終ラインを晒させずにSHに守備の役割を課して堅く守ることも出来たでしょうが、勝ちに行くために、ボール非保持から主導権を握るためにリスクを負ったと言えるのではないかと思います。これを逆サイドで考えれば、距離があっても高い位置まで出ていくタスクを任せられる人選ということで山中より岩武がスタメンに抜擢されたのも頷けます。
一方で悪い面が出てしまったのは先制点の場面で、大きく開いたCBの原へ関根がプレッシャー。人数は合っていましたが森下の素晴らしいタイミングでの裏抜けに岩武が二歩遅れ、さらにボールが微妙に内側に入ってきたことで体の向きを間違った岩武は完全に抜け出されます。この時浦和の最終ラインの選手ではトーマスだけがこのタイミングに反応しており、槙野、橋岡は岩武と同じように大外にボールが出る(≒岩武が対応できるor時間がかかる)と判断してチョドンゴンのゴール前に入っていくスプリントについていくスタートが切れませんでした。原のフィードの落しどころ、森下のクロスとチョドンゴンのシュートは10回やって何回決められるだろうという完璧なプレーでしたが、 浦和としては最終ラインを一発で裏返されてしまったのでつらいプレーでした。岩武もとっさの対応で経験不足が出たのではないかと思います。関根が寄せていっていたとは言え原は前に蹴れる体勢とモーションだったので、裏を感じるのが遅かったというのと、自分の背後に出るボールに対しての体の向きのつくり方は改善できると思います。左SBとしてどれくらいの経験があるかわかりませんが、彼がプロで、特に浦和でやっていくには両SBでプレーできる選手になっていく必要があると思いますので、ああいう対応から学んでほしいところです。それにしても原、なぜあそこに落とせたんでしょう。マグレだと思うんですが。
うまーくビルドアップから裏返されたなー岩武の背後への対応はダメなやつだけど、ボールが難しかったかなー。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
柏木の居場所
攻めなければいけない浦和ですが、4-4-2のマッチアップで同数プレッシングを仕掛けてくる鳥栖のディフェンスに対し、なかなか有効なボール回しが出来ていませんでした。先制後~ウォーターブレークのタイミングまでは浦和は基本的に4-4-2の形を変えず、時々CHがCBの脇に降りる形でビルドアップをしていましたが、ポジショニングで相手をずらすことが出来ないのでパスを出した分だけボールホルダーの時間が削られていくような構造に陥ってしまい、またチーム全体としてかなりパスミスが多く、ストレスが溜まる展開となってしまいました。これに追い打ちをかけたのは鳥栖のビルドアップで、こちらはボール回しの高さによってGK高岳が前に出てビルドアップに加わるパターンとボランチがCBの間に降りて3バック化するパターンをうまく使い分け浦和の2トップのファーストプレスをいなし、大外に開くCBに対応するためにスペースが出来る浦和の2列目の間、特にCHの脇に前線の4枚が降りる形がよく整理されていました。
ボールを前進させてからも中央の4枚がSB裏に抜けていくチャンネル攻略とボールの動かし方、最終ラインからアタックに入るまでの手順が明確に表現されていたため、浦和は鳥栖のビルドアップ練習通りの形でプレスを裏返されてしまっていたと思います。先制後の15分のビルドアップから大外に開いた右SBの森下へ展開、少し下がり目で右SHの樋口が受け、逆サイドから走り込んだ左SHの本田が裏を取った場面などは、浦和のプレッシングに対してうまく+1を用意することと整理された立ち位置、ダイレクトパスで剥がしながらゴールに迫る鳥栖のビルドアップの良さが良く出ていた場面でした。
浦和は飲水タイム後に修正。飲水タイム直後からCHがCBの間に降りるようになります。序盤はCBの脇にサポートに入るようなイメージでしたが、最初から中央に降りることで鳥栖の2トップのプレスに対して数的優位が作れ、ボール保持が安定したように思います。直後に浦和はその柴戸の縦パスがレオナルドへ入るとシームレスに興梠が裏を取って決定機。最終的にシュートは撃てませんでしたが、最終ラインの数的優位をベースに中盤が立ち位置を取ることが出来るようになり、またチームとして今節非常に意識が高かった2トップへの楔が入ったことでチャンスになったシーンでした。
その後、前半終了までは浦和がゲームを支配することに。最終ライン中央に降りる柴戸、青木の存在をベースに、相手を押し込みながら攻撃する機会を多く得ます。ここでポイントになったのはやはり柏木で、オンザボール、オフザボールを問わずにそのオフェンス面の能力の高さを発揮していました。ミシャサッカーにおける柏木は、特に成績が安定した後期においては最終ラインに降りてのビルドアップや、4-1-5の1の位置で前を向いた時のキラーパスの発射台として唯一無二の役割を担っていましたが、今節見せたプレーはどちらかというと前期、シャドーをやっていた頃の柏木や、もっと前のフィンケのサッカーにおけるトップ下やボランチとしての柏木に近かったと思います。彼の凄さは認知の幅と奥行きで、普通の選手が周囲の2人か3人くらいを認識しているであろう場面で、柏木はおそらく4、5人くらいは認識しています。それに加えて、把握している4、5人を繋げる、連携させるためには自分がどの位置でどんなアクションをすべきなのか、3人目になるべき選手は誰なのかというところまで織り込んでプレーできるのが彼の特別な部分です。この能力ゆえに、柏木はオンザボールだけでなくオフザボールにおいてもオフェンスをデザインすることが出来るし、自ら動き出すことによって3人目として連携に関わることも出来るのだと思います。「走るファンタジスタ」は、単純な走行距離だけでなくこうしたオフザボールでの動きの印象からも来ているのではないかと思います。
ただ、その柏木をどうチームに織り込むかという面ですべてがうまくいったわけではありませんでした。飲水タイム後は中盤に降りてボールを引き出す、そして橋岡を高い位置に押し出すような位置取りをすることが少し増えた印象でしたが、上述の通り3人以上の連携を一人で繋ぐことが出来る柏木は、ここ数年基本的にゴール前、特にトップとの連携に関わろうとしてビルドアップにあえて参加しないプレー選択をしています。すると、柏木をゴール前の連携に関わらせるためにその一つ前のビルドアップの部分を他の選手が担う必要がありますが、ここで橋岡に多くミスが出てしまいました。柏木はボールが各選手に入った瞬間にポジションを取り直しますし、そうして空いたスペースに興梠も降りてきて連携を図るわけですが、ボール保持からの崩しにおいて橋岡の経験値や技術といったレベル感がこの二人とは合っていなかった印象です。橋岡とすればまずはボールを受けて、前を向いて、コースを探して、と順番にプレーしているところに、ボールが入った瞬間にはスペース認知とポジショニング、さらに自分にボールが入った後に3人目がどこに入り込んでどういうパスを出せば相手を裏返せるか、というところまで同時にイメージできてしまっている選手のテンポは早すぎるし、それに追いつこうとして技術的なミスが出る、という感じに見えました。前半で5回以上橋岡のロストがあったと思いますが、ノープレッシャーでの単純なミスが3つ、それ以外が上記のテンポの部分でのミスという感じだったでしょうか。
難しいですがこれは仕方ないというか、橋岡にそこまで全部は求められないね、という感じがします。守備においては精力的にボールに出ていって結果的に柏木のスライド量と守備機会を大きく減じることに貢献していますし、そもそも育成年代を武闘派CBとして過ごした選手です。もちろん今後は出来るようになってもらわなければ困りますが(そしてこれくらいのビルドアップや崩しに関われなければSBとして海外挑戦は難しいですし、CBも出来るSBでなければそもそも海外では使いどころが限られてしまい選手価値が高まらないでしょう)、今はまずは慣れ、という段階ではないかと思います。例えばここに森脇が入っていれば浦和のビルドアップとボール保持が劇的に改善することは間違いないのですが、いない選手を嘆いても仕方ないし、そもそも橋岡の存在は今やろうとしているサッカーに不可欠なわけで、ここはうまくやりくりしてすり合わせるしかないでしょう。
というわけで、柏木は自分が前線に入るときは「橋岡にどこまで任せられるか?」を見定めながらプレーしていたように感じました。また前半途中から中盤に降りて、崩しのもう一つ前にも関わるようになってからはより広いエリアで中央の選手たちとどんなリズムで崩しの入り口を構築するかを探りながらプレーしていたように思います。特に飲水タイム後に最終ラインのボール保持が安定してからは少し下がり目で彼がボールを持って前向きにプレーする機会も増え、37分に見せた関根へのノールックパス等随所に「らしい」プレーが出ていました。
柏木が居場所を見つけ出したかな?なんとなく形が見つかってきてる感はある。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
もちろんセレッソにおける清武ほどのスムーズさ、周囲との相互理解はまだなく、柏木のオフェンス能力に周囲の選手のボール保持における経験値やレベル感がついてきていないもどかしさ、そして守備においてはこれまで以上にリスクを負ったスライドで彼の仕事量を調整していたことから収支を計算する上での悩ましさはありましたが、セレッソ戦やこれまでの課題を踏まえれば総合的には良いチャレンジだったと思います。右SHの位置から中盤の底、そして最前線へと状況に応じてプレーエリアを変えながら複数人数での崩しをオーガナイズするという役割は、柏木がこれまでそれぞれの年代・体制で見せてきた幅広いオフェンス能力を状況によって使い分ける立ち回りとなり、現体制においては最も彼の良さがでるポジションではないかと個人的には思っています。この役割は柏木にとって突き詰めていく価値のあるものだと思いますし、もしかすると今後の彼の居場所になるのかもしれません。
ただこの良さを最大限に活かすにはもう少しボール保持を任せられる、そして崩しの起点になるパスを入れる能力が右SBに欲しいですし、そうであれば柏木の分まで守備を任せられる選手を起用することが難しくなるでしょう。そうするとボール保持を中心にスカッドを考えることになり、やはり今季の目指す姿、トランジションやプレッシング強度とセットオフェンスのバランスとは多少異なるものになってしまうのかな、という気がします。
そう考えると、このチームに柏木の居場所を作るための、彼の類まれなオフェンス能力をチームに融和させるための解決策は、橋岡が攻守両面でハイレベルな選手になってくれること、彼の成長なのかもしれません。
そうかー難しいんだな。そうなんだな。これは厳しい。こんなにロジックが出る試合になってしまうとは。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
戦術を超えた戦い
飲水タイム以降はボール保持から押し込み、ロストしても青木、柴戸を中心としたカウンタープレッシングで(これは今季のチームの取り組みの中でも着実に向上している部分で、ここ数試合は明確に強みになってきていると思います。もっと取り上げられても良いと思うのですが、あまりに普通にやるから目立たない?)流れを掴み、最後はCK崩れから関根のミドルが松岡の腕に当たるところまでいったのですが、PKはもらえず、0-1でビハインドのまま前半を終了。後半はどうなるかと思いましたが、いきなり浦和が同点に追いつきます。
流れは鳥栖がビルドアップから左サイドを後半から出場の小屋松が突破し(前に出た橋岡が裏返され、柏木はカバーリングでは無力)、ゴール前に飛び込んだ金森に合わなかったシーンから。前半はピッチの3/4くらいで構えてからのミドルプレスで一定のコンパクトネスを保っていた鳥栖のディフェンスですが、このシーンは押し込まれていた前半の流れを考えると久しぶりに浦和ゴールに迫った場面で、少し前がかりになったというか、ディフェンスをセットするポイントが高くなりすぎていたと思います。西川からボールを受けた槙野から関根にパスが入ると、トラップで方向づけした関根が中央にドリブル。アウトサイドで興梠にボールをつけるとサイドに流れ、再び中央の関根へ。強烈なミドルのこぼれ球にレオナルドと入れ替わる形でゴール前に入ってきた興梠が反応しニアを射抜いてJリーグ通算150ゴール達成の同点弾という流れでした。
⚽️PLAY BACK GOAL⚽️#関根貴大 が放ったミドルシュートのこぼれ球に反応し、 #興梠慎三 がJ1リーグ通算150ゴールを達成。#urawareds #浦和レッズ #wearereds #サッカー #Jリーグ pic.twitter.com/vMNhIcuhwr
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2020年9月9日
この後後半はどんどんとオープンな展開になっていくこのゲームですが、鳥栖はこの場面で結果的にオープンスペースを浦和に与えてしまったのは痛恨だったのではないでしょうか。関根、興梠、レオナルドといった選手にスペースを与えてしまえばこういったことが起きるというのは十分に警戒していたと思いますが、この場面では自分たちがゴールチャンスを作った直後だったということもあり、全体が間延びしてしまいました。狙ってはいないと思いますがレオナルドが左サイドに流れてディフェンスを引っ張り、興梠とすれ違ったことでマークについていた原がスクリーンされてしまったようになり、結果的に興梠が完全にフリーだったこともゴールに繋がった要素だったと思います。
これで浦和に流れがいくかと思ったらそうならないのが苦しいところ。鳥栖の2枚替えを挟んで59分に鳥栖が勝ち越し。ゴール自体はブレ玉シュートを西川が弾いたところ中央にボールが飛んでしまい詰められて失点という形ですが、一連の攻防はCK崩れからのもので、浦和のバックラインの選手の並びが直せないままプレーが続いてしまった結果でした。セレッソ戦では選手交代の流れから中盤の並びが修正できないまま失点してしまいましたが、今節も同様にポジションを修正できないまま失点してしまうということになりました。CKが57分くらいなので、2分近くCK崩れの並びを修正できないままプレーしてしまったのがもったいなかったなと思います。一度どこかでプレーを切っても良かった気がしますが、余裕がなかったでしょうか。それ以前に、同点に追いついた後にさらにパワーを出して相手を捲し立てるようなプレーが思ったほど見せられなかったのはどうなのかなという気もします。ゴールを奪った次の瞬間にはプレッシングで相手から考える時間を奪うような勢いを見せられれば脅威になると思うのですが、プレスはかかってもやはりその後相手ゴールに迫るような迫力を出せなかったのが流れを掴み切れなかった遠因かもしれません。蓄積している疲れもあったでしょうが、例えば56分のビルドアップで柴戸→岩武と繋いで関根が中から外へ裏に抜けたシーン、パスが合えば関根はクロスを上げられたでしょうから、ああいう場面でミスから攻撃が終わってしまうのは全体の勢いを削いだ感じがします。
失点後、浦和は61分に柏木→武藤、青木→エヴェルトン、64分に興梠→健勇の交代。ここから浦和は徐々に2トップが攻め残るようになり、オープンな展開を志向していきます。鳥栖はこれに付き合いたくなかったでしょうが、活動中断等でまとまった練習ができなかった時間があった中ではゲーム体力的に難しかったかもしれません。さすがに鳥栖もペースが落ちていました。
81分に浦和が武藤の完璧なコントロールショットで同点。ボールの動かし方はシンプルでトーマス→槙野→岩武と繋いだボールからでしたが、健勇が降りてきてボールマンの岩武に選択肢を二つ用意していたのが良かったと思います。マークについていた鳥栖の左SH樋口が武藤へのコースを消しきれませんでしたし、健勇が中盤まで降りたことで交代でボランチに入っていたパクジョンスが健勇のマークに入り、結果的にパクジョンスの背後のスペースが空いたことで武藤にコースを狙うだけの時間が与えられました。シュート自体、これまで浦和で観てきた武藤のゴールの中でも1、2を争う美しさでしたが、ずっと練習していたようなので報われて良かったです。
⚽️PLAY BACK GOAL⚽️#武藤雄樹 の見事な同点ゴール。
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2020年9月9日
カーブをかけた狙いすましたシュートは、ポストに当たってゴールに吸い込まれた。#urawareds #浦和レッズ #wearereds #サッカー #Jリーグ pic.twitter.com/AovTSofkwf
鳥栖にしてはもったいないゴールでしたが、面白いのはこの試合鳥栖がチャンスを作った後に失点していることでしょう。少し前の79分には原川が左サイドに絡んで強烈なシュート。西川のシュートストップとその後の素早いリカバリー(今節のベストセーブに選ばれたプレーでした)に阻まれてしまいましたが、鳥栖にとっては追加点を予感させるシーンでした。ただセーブの流れで完璧なフィードを健勇につける西川のナイスプレーもあって、浦和が流れを失わなかったのが良かったのかもしれません。鳥栖は後半は良いプレー、良いシーンを2回続けて流れを掴むことが出来ていなかったので、このあたりはチームが若いとも言えますし、ゲーム体力の部分だったのかもしれません。
その後は完全にオープンな展開になり選手個人の戦い、特に球際での勝負が連発する展開に。ゲーム前に予想した通り、両監督によるゲームは戦術的な要素を内包しつつも最後は球際のバトル、ゴール前のバトルが勝負を決める傾向の通りとなりました。
結局、ゲームは2-2で痛み分け。お互いに勝てたと感じたゲームだったでしょうが、内容から言えば鳥栖に勝ち点2、浦和に勝ち点1といったゲームだったのではないかと思います。浦和としてはこれまでの文脈からもう少しボール保持にゲームを寄せてみようという考えで柏木を起用し、戦術的なリスクを負いつつも彼の居場所を探しながらプレーしたのが今節であり、その一方で勝ち点1という結果をもたらしたのは鳥栖がスペースを与えてくれたことで輝いた個人の質だったと言えると思います。実験の結果としては2失点勝つ柏木由来の得点はないので成功とは言えないのですが、結果的に守備一辺倒となり選手たちからもリアクションだと言われてしまっていたこれまでの状況を打破しようとする取り組みと捉えれば前向きだったのではないかと感じています。このチャレンジの結果として特に右SBに関する新しい悩みが生まれてきてしまっているという側面もありますが、今後もチャレンジする機会があるのではないかと考えます。
3つのコンセプトに対する個人的評価
採点です。
「1.個の能力を最大限に発揮する」は4点。今節は柏木を投入しセットオフェンスの改善に取り組んだと言えるゲームだったと思います。類まれなパススキルとオフェンスの感覚、特に自分の立ち位置、動き方、プレー選択で周囲の選手たちを繋げてしまえる能力を持ちながら、最近は走力やトランジション耐性の部分で明確に落ちてきているメリデメが明確な選手をチームにどう組み込むかという意味で今節は興味深い実験だったと言えると思います。前節セレッソ戦のエントリで「いびつな土台に建屋をどのように乗せるのか」という話をしましたが、結果的には土台の部分、つまり橋岡のボール保持での能力や経験の不足、さらにはセットディフェンスにおける柏木の周囲の選手(これも主に橋岡ですね)の負担増、もしくはチームとしてのスライドの仕方の変更による難しさが浮かび上がってしまったのではないかと思います。しかし橋岡はまだ若い選手ですし、そもそもボール保持においてはこういうプレーをする経験がなかった選手です。チームとしてもスライドまわりの不備からの失点は結果的になかったわけですから、橋岡の成長やチームとして柏木を抱えても守り切れるというやり方や感覚が出来ていくと信じてこのやり方を継続的に、もしくは定期的に試していく価値はあるのではないかと感じました。
ゲーム全体を見通せば関根のファイトと存在感は出場選手の中でも飛びぬけていましたし、興梠がらしい形でJ通算150ゴールを取れたことも素晴らしかったと思います。セレッソ戦の敗北を受けて、また9月の過密日程が本格化し一番キツいところを迎える中で、大槻監督のチーム作りやスカッドの個性との調整は新しい局面を迎えたのかなという印象です。
ただその意味で最も残念だったのは岩武で、早い時間帯に失点に絡んでしまったからか全体的に消極的なプレー選択が目立ちました。オンザボールや崩しにかかる部分でもかなりミスが多かったのでプレー採点で低い評価になることは当然ですが、それ以上に積極的なプレーがあまり出来ていなかったことが残念でした。個人的には、若い選手、出場機会の少ない選手にはミスを何回してでも自分の個性を見せるようなプレーをしてほしいと思っています。ミスしないように安全なプレーをしていては、その選手がゲームに出ている意味はありません。ミスしてでも自分らしいプレーを選んでいかないと、存在意義はなかなか見いだせないのかなと思います。オフェンス性能では山中に、バランスを取る経験値では宇賀神に、身長を含めたフィジカルでは橋岡に勝てない中で、岩武だからこそ出せるプレーをファンにもっと見せてほしいと思います。いろいろ要因はあったでしょうが、今節は対面でプレーした明治の1年後輩の森下に完全に後手を踏んでしまいました。
「2.前向き、積極的、情熱的なプレーをすること」は4.5点。この項目をどう評価するかは人によって結構意見が分かれそうですが、上述の関根のプレーなど個人の部分に加えて、ビルドアップに対するプレッシングやカウンタープレスでボールを奪う回数が多かったことは評価できるのではないかと思います。相手のミスでボールがこちらに転がっているように見えてしまうのですが、ミスを誘発させるために後追いでも長い距離を詰めていっているわけで、浦和側の成果として考えるべきかなと思っています。今節は岩武の対応ミスもあって奪いに前に出たところから失点してしまったので収支がプラスとはなかなか言いにくいのですが、ボールを回収する回数はこれまでの試合よりも多かったのではないかと思います。このあたりは相手のレベルやコンディションもあるので成長だと断言はできませんが、ボールを回収するという部分ではチームとしてやり方が定まってきて、無理をして意識的に追いかけている感じもなくなってきているのかなという気がします。
ただそうなると問われてくるのがオフェンスの質で、リスクと体力を賭けてボールを回収しても、結局ボール保持の時間が長くなるだけでセットオフェンスの課題に多く直面することになり、最初の狙いがうまくハマっているのになんとなくストレスのたまるゲームになってしまうというのは苦しいところです。ボールを奪う回数で勝ち点が貰えるなら良いのですが、結局は勝つためにゴールが必要なわけで、ボールを回収するという部分にある程度の成果が見えてきているからこそ、ボール保持の質、セットオフェンスの質が問われているのでしょう。そう考えれば今節の柏木の起用のように、これまでよりも強度以外の部分を考えて選手を選んでみるというステップはチームの成長には必要で、正しいタイミングでのチャレンジなのかもしれないと思います。相手によっては強度マックスを出せるメンバーを選んでいくのはもちろんですが、だんだんとこういったメンバー選定になる試合も増えていくのかもしれません。
「3.攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをすること」は4点。単純に繋ぎの部分で技術的なミスが多かったのが最大の要因だと思います。トランジションの強度では鳥栖に全く負けていませんでしたし、「浦和のやりたいペース」でゲームを運べていたと思いますが、ボールロストを通じて流れを自ら切ってしまう場面も多く、なかなか勢いに乗り切れない試合でもありました。ただ鳥栖もかなりミスが多かったので、全体を通じて観ればお互い様という感じのゲームだったかもしれません。
戦術的に気になるのはセットディフェンスでの守備の方向付けで、2トップは基本的に縦パスを切るところで役割が終わっている感じがあるので、せめてもう一つくらいは役割を担ってほしい気がします。特にどちらかのサイドにボールが出た際にサイドチェンジをさせないように横パスを切るだとか、簡単に戻させないように背中側を塞ぎにいくプレーが観たいのですが、オフェンスに使うパワーとの関係性や選手の機動力の面でなかなか出てこない感じがします。相手からやり直しの選択肢を奪う最前線の選手のボールラインより後ろの立ち位置はサッカーにおいては結構重要だなというのが最近考えていることで、相手がやり直しを自由にできる環境ではどうしてもセットディフェンスの時間が長くなりますし、それだけサイドチェンジのリスクや中盤のスライド回数も増えてしまうので、バランスが難しいですがここは頑張ってもらったほうが結果的にセットディフェンスの時間が減り、浦和としてはやりたい局面を増やせるのではないか、という感覚があります。ただこう考えると今の浦和のFWは機動力や走力の面で足りない部分があって、ただそれを上回るゴール前での質で勝っている面も無視できないので、これはかなり悩ましいポイントですね。
負けた気分だからどんなに順位が下がったかと思ったらまだ7位か。消化試合数が揃ってないから勝率の良い上のチーム以外は順位はあんま関係ないのかもしれないけど。
— 96 (@urawareds96) 2020年9月9日
ということで順位は思ったよりも下がらず7位。序盤苦しんでいた鹿島に抜かれてしまいましたが、個人的には鹿島が上がってくるのは想定内だったのでまだまだこれからという感じです。それよりも川崎以外の上位陣が勝ち点20近くで団子になっていた状態からバラけつつあるので、前半戦が一巡するあと2節でどれだけ勝ち点を積み上げられるかは引き続きかなり重要だと思います。相変わらず得失点はマイナスなので内容面の向上が見える化されているとは言い難いのですが、個人的には徐々にチームは成長していると感じるので、どこかで良いきっかけを掴めれば柏や名古屋にやられた分の大勝を観れる日も来るのではないかという気がしています。武藤が今節のゴールで勢いに乗り始めている感があるなかで、やはり期待したいのは健勇のゴールですね。
また、ここからは日程、回復時間との厳しい戦いをこなさなくてはいけません。日曜日の昼に札幌戦をアウェーで戦った後は、前半戦の締めくくりとして首位を独走する川崎との対戦が待っています。
今節も長文にお付き合い頂きありがとうございました。