DAZN中継の画角の狭さ、どうにかなりませんかね。
両チームのメンバーと嚙み合わせ
浦和ベンチ:彩艶、田中、金子、柴戸、武田、関根、涼太郎
マリノスベンチ:高丘、伊藤、小池、天野、渡辺、水沼、オナイウ
浦和は前節と同じメンバーでスタート。さすがに前節前半の実験を繰り返す気はないようで、4-2-3-1で明本が右SHとなる「基本形」でのスタートとなりました。岩波・槙野の並びもいつも通りでした。マリノスのほうはシーズン開幕前には3-3-1-3にトライしているという話題もありましたが、こちらも比較的チームの基本に近いと思われる4-2-1-3の配置でスタート。左WGで起用されることが多い印象の前田がCFで起用されたこと、ボランチの一角に大分から加入の岩田が起用されていることがトピックとなるでしょうか。
お互いの狙いはかなり明確で、浦和はリカルドが試合前日にコメントした通り「自分たちのサッカー」を押し出そうとするもの。マリノスの方は良く知りませんが、ビルドアップとプレッシングを狙いにするという意味では志向が比較的近い監督同士の対戦なので、今年からやってみてます!よろしくオナシャス!状態の浦和には負けないよ、というプライドもあって浦和がビルドアップしてくるならぶっ壊すからね、というモチベーションは高かっただろうと思います。
浦和のやりたかったこと
ゲームは開始3分に仲川のクロスから前田に先制ゴールを奪われると、26分にもビルドアップが引っ掛かって連続失点。ゲーム序盤、ゲームの構造が安定していない時間帯に縦縦縦と速く思い切りの良い攻撃に晒され失点してしまったのが不運だったのと、その後もマリノスの速いプレッシングになかなか前線へクリーンに展開できない中、それでもビルドアップからの攻撃を実現させたい浦和は何度もショートカウンターを受ける展開となりました。前半終了前の時間帯にいくつかゴールに近づいたシーンがありましたが、浦和がよくなったというよりはゲームの展開的にも構造的にも早々に勝利を予期できたマリノスの選手たちの慢心か単純な疲れか、相手のペースが落ちたのが主な要因かなという感じで、浦和側に大きな変化を感じるほどではありませんでした。前半を2-0で折り返した浦和は後半55分にもゲームを決定づけられる3点目を奪われ、その後はメンタル的に厳しくなった浦和と層の厚い交代選手が躍動するマリノスという構図の展開が続き、そのまま試合終了。浦和は手も足も出ない完敗という感じで、長年良いゲームができていない印象のある日産スタジアムでの悪い記憶がまた一つ増えたという感じになりました。
で、試合内容の描写としてはこれがほとんどで、いちいち図を使って失点したシーンを説明しても面白くないし、そもそも僕もそんなことやりたくないので、今節は違った部分から振り返っていきたいと思います。
今節は全くうまくいかなかった浦和ですが、今季のチームはなんとなく前節までの課題に対して次の節で回答案を出そうとしている節があって、今節もそれは同様というか、よく出ていたと思います。一番わかりやすいところで言うと小泉をなるべく落とさないビルドアップをしようとしていたことでしょう。おそらく序盤の浦和はなるべく小泉を前線に残すビルドアップを試していて、2CB+2CHでなんとかしつつ、サポート役としてサイドに降りてくる選手を作るやり方を狙っていたと思います。おそらくですけど、狙いはマリノスの守備陣形の予想に基づいていて、前線の3枚が追ってくるならその背中を使おう、という考えがあったような気がします。
ただこれはあんまりはまっていなくて、そもそもマリノスのプレッシングは4-4-2気味にセットしたところからサイドの選手が最前線に加わっていくパターンでした。ボール保持が流動的なのでその後の非保持もポジションが入れ替わりやすいんですが、おそらく基本は以下の配置がスタートポジションだと思います。
で、浦和がビルドアップ隊でボールを持っている間にSBを前線に使って5レーンを埋めていくような配置を狙うので、SH役の人たちはそのSBを監視して最終ラインで枚数が足りるようについていきます。これをかなり頑張っていたのが仲川で、山中が裏に抜け出そうとしたシーンで仲川が最終ラインまでついていって対応していたシーンがいくつかあり、ああ役割を与えられているのだろうなと感じました。
で、この形で守られると浦和の2-2基準のビルドアップに2トップで枚数が合ってしまうのと、2CBの脇に選手が助けに降りてくると相手のSH役の選手もついていきて、その勢いのままスピードのある2度追いを食らうことになる、しかも、アタッキングサードでもなかなか数的優位や位置的優位が作れない、という状況が頻発していました。これ、浦和のやり方に合わせてマリノスが4-4-2ベースからの+1プレッシングを敷いたのか、マリノスが4-4-2ベースだから浦和が2-2+サイドの選手というビルドアップを狙ったか、僕がマリノスを詳しく観ていないのでどっちが先だったかわからないのですが、お互いに相手のやり方に対してその上を行こうとした結果、マリノスの方がハマったということかなと感じました。まあ色んな意味で手札が多いのはマリノスの方ですし。
ちなみに、浦和のやりたいことが出来ると、マリノスの4バックに対して5枚、少なくとも4枚でアタックできます。14:30前後なんかはそういう場面で、敦樹の縦パスでプレッシャーラインを突破すると、大外の汰木を経由してインサイドから外に走った山中へ、クロスを待ち受ける中の選手は逆サイドの宇賀神と明本でエリア内は2on2という状況でした。
浦和は小泉を落とさないビルドアップにチャレンジすると同時に、SBを前線部隊に絡ませていく動きを積極的に狙っていたように思います。特にSHにボールが出たときの相手のSB裏を取っていく役割を前線に上がった両SBが狙っていたのが印象的で、山中と宇賀神は最終ラインから上がってきて相手の最終ラインにアタックするというタスクを担っていました。前半の途中で宇賀神が最前線に残って健勇と2トップみたいになって、右SBのポジションを明本が埋めていた場面なんかはその影響でしょう。SBの負担やネガティブトランジションの対応などのデメリットは別として、取り組みとしては面白かったです。まあそれならIHを置いた方がシンプルで良いのでは、と言う気もしますが、これはこれで一つのやり方かなと言う感じですかね。たぶんもう少し高い位置でボールを安定して保持して、それこそ歩いてポジション移動できるくらいになれば体力的な負担少なくこの役割を使えると思います。ちなみにマリノスも同じように小池や松原が後ろから上がってきてインサイドからアウトサイドのレーンへ斜めに走って裏に抜けてい行く動きをよくしていたので、構造としては両チーム似たものを狙っていたと思います。逆に違ったのは最前線の選手たちの特徴とプレーの優先度で、浦和は繋いで行くこと、ボールを納めることが優先でしたが、マリノスは裏裏裏縦縦縦という感じでしたね。早々に得点という結果がついてきたこともあり、相手にプレッシャーを与えられていたのがどちらだったかは明確です。
ボール非保持の面ではいつも通り、プレッシングを狙いつつも撤退するときは割り切って撤退という形。昨年からの踏襲ですが、相手のWGの対応のために下がって守備をする両SH、特に汰木の上下の運動量はよくぞここまで走れるようになったなあと。汰木は普段あまりみせない左足でのミドルを狙うなど積極的でしたが、やっぱり古巣相手の試合ということで気合が入っていたでしょうか。点差がついて難しくなった場面でも戦うことを止めていなかった印象が今節の左サイドのコンビにはありましたので、個人的には収穫というか、見直しました。残念ながらオープンな仕掛けの場面はなかなか出来ず、囲まれて奪われる場面もありましたけど、ボールが入った時点で厳しい状況もかなりあったので彼だけのせいにはできないと思います。
「ビルドアップが上手い」とは
浦和の2失点目は飲水タイムの直後のゴールキックからの流れでしたが、大きなミスと言うよりは長いというかまとわりつく感じの芝によってボールスピードが遅くなったことを含めて、相手を剥がす、ボールを逃す質の部分で上手くいかなかったという感じでした。失点のシーンだと岩波から西川へのバックパスがまず遅くて、前田に西川と駆け引きする時間を与えてしまったし、西川から阿部ちゃんへのパスも右足だったからか遅いですね。阿部ちゃんは次の人に時間を作るためにも強めのパスを岩波につけていますが、岩波が敦樹につけずに切り替えしでマルコスと入れ替われれば展開が違ったかなと思います。もちろん取られるリスクはありますけど、スペースもあったしタイミング的にもチャンスがあるならここでした。もし引っ掛かってもゴール方向にボールは転がらなさそうなシーンだったので、チャレンジできたかなと。あんまり選手個人が出来なかったことを偉そうに指摘するのは好きじゃない(だって僕ができるわけもないし)んですが、自分のところで剥がす、入れ替わるようなプレーが最終ラインでも出来ないとこういうことは起きてしまうかなという感じがします。
岩波自身はビルドアップには自信があると公言していますし、実際彼の中長距離のパスは素晴らしいものがあると思いますが、「ビルドアップが上手い」とは少し違うのかなというのが僕の印象です。たぶん岩波はスピードに自信がない分パスを磨いてきたタイプだと思うんですが、根本的に自分のところで時間を作るプレーはあまり選択しません。選択しても、14:06前後のシーンのように相手を剥がした後にすぐ味方にパスをしてしまう、ワンプレーで終わらせてしまうことがほとんどで、そのあたりもったいないなあとよく思います。
結局ビルドアップを上手くやっていくには相手に寄せきられないようにボールを前進させていくのがベストなわけですが、相手もそうされないように守っているので普通にやっていてもなかなかうまくは出来ません。そうなると相手に動いてもらって自分に近づいてもらい、その分他の見方の選手から離れてもらうように時間を用意してあげないといけないわけで、つまるところ自分がボールを持って相手を待つ時間を我慢できないといけません。もちろん素早く(よく言うワンタッチのパス回しのように)ボールを離すことで相手を動かさせない方法もありますが、今レッズが取り組んでいる方向性からすれば、逆に相手を動かすまでボールを離さない技術や意識というのが求められるのかなと思います。そういう意味で岩波はボールを離す技術は高いけれど、ボールを離さない技術はあまり磨いてこなかったのだろうなという気がしていて、32:30前後のシーンでも自分がボールを離さずに前進した方が良い場面で味方に動き出すように指示しています。こういう時に怖いけれど少しの時間ボールを離さなかったり、怖いけれど相手を近づけてから入れ替わるというプレーがビルドアップ隊に出てくると、一気に次のプレーに時間が出来て前進がスムーズになるはずです。つまるところビルドアップとはボールを前につけることではなくて良いオフェンスを組み立てることですから、時にはボールを離さないことが正解になる場面もあるということですね。まあこれは、岩波に関わらず今のところ出来ない選手の方が多くて、出来る選手が重宝されるというのが現実で、それが今の浦和で抜群に上手いのが小泉と敦樹ということになります。
で、ビルドアップの上手さはオンザボールの話にとどまらなくて、ボールを受ける側の選手にも上手さが出ます。受ける側の選手が意識しないといけないことで個人的に大切だなと思うことは「相手選手一人に二人守らせない」ということです。一人で二人守らせないために何が出来るかと言うと、まずは相手選手の視界から消えること、次に物理的に守り切れない位置に立つことでしょうか。両方当たり前のことなんですが、流れの中でそれを実践するのは結構難しくて、ただ自分が安全にボールを受ける位置に立つこととは結構違います。わかりやすいなと思ったのが31:53前後の場面で、槙野が最終ラインからドリブルでボールを前進させるシーンです。山中が左サイドのタッチラインに張っていて、高さはハーフラインのちょうど真上。マリノス側は流れで左右が入れ替わってエウベルが右サイドの守備をしていますが、セットは4-4-2っぽい形なので基本形に近いと思います。ここで山中は槙野から安全にボールを受けられる位置で待機してバックパスのコースを作っているのですが、これが槙野と一緒に前進してエウベルのラインを超えていくような位置に入っていくとどうだったかなと感じました。
プレーは結局近くに出しどころのない槙野が逆サイドに斜めのボールを入れて扇原にインターセプトされてしまうんですが、山中が前進していくとエウベルは山中を視界に入れるために自分も下がるか、槙野にアタックして槙野の時間を奪うかを選択しなければいけません。自分の真横2.5m先にいる山中と前方2.5mの位置にいるボールホルダーの槙野をエウベル一人では対処できなくなるためです。そのままずるずる下がるわけにはいかないしCBが十分高い位置まで来ているので、普通であればプレスバックしてきた前田と挟み込むように槙野にアタックするところですが、その瞬間にエウベルを超えるラインに前進した山中へパスが出れば彼を完全に置き去りに出来ます。ここで山中がボールを持って前向きであれば後ろの右SB松原が対応に出るしかないので、ハーフレーンに立っていた汰木が裏抜けでさらに深い位置へアタックすることができそうです。
もちろん状況によっていろいろとパターンと派生はあるわけですが、基本的にボールを相手のゴールに入れるスポーツではボールをクリーンに前進させ、次のボールホルダーに自由を与えるプレーは上記のようなグループによる連動なくしては出来ないと思います。サッカーでそういうプレーがあるかはよくわかりませんが、バスケではそのためにわざと自分の見方をマークしている相手選手に向かってドリブルして、自分から近づくことで注意を引き付けて本来マークされている味方選手をフリーにする、というプレー(ドリブルアット)もあるくらいです。もちろん一点の重みが違うサッカーで、そして後ろに選手がいないビルドアップの局面でそこまでのリスクを負うことは難しいでしょうけど、基本的に相手と同数でプレーするゲームですから、自分たちが能動的に時間とスペースを作ろうと思ったら、上記の山中のように見方が役割なく余っている状態、もしくはただボールの消極的な逃げ場になっているポジショニングは効率的とは言えなくて、なるべく役割が余らないような立ち位置を状況に連動して取っていくということは全ての選手に求められます。
そういう意味ではこの試合の浦和のパフォーマンスはマリノスの速いプレスに非常に苦しんだということと同時に、能動的な状況への連動に対して足りない部分が多く出たということも言えるのではないかと思います。ちなみに、じゃあマリノスがそういった浦和の課題に良い回答を出せていたかと言うともちろん完璧ではなくて、同じように役割を持て余して詰まっている場面も多々ありました。ただその時に、36:20前後の松原のプレーなどのようにボールを簡単に離さずに相手を動かしてからボールを動かすということを浦和よりもスタンダードにやれていて、そういう意味では積み上げや選手の特性・技術の差と言うものは出た試合だったかなという感じです。
成功体験の積み上げの差
後半の浦和は敦樹、阿部を代えて田中と金子を投入。CHを小泉と金子に代えた4-4-2でリスタート。観た感じビルドアップのサポートに降りてくる役割は健勇がやっていたので、この役割は任せる人と任せない人が決まっているみたいですね。もしかすると、明本には任せないというだけかもしれませんが。で、前半よりもプレッシャーを強めて1点を返そうという浦和でしたが、リスタートから3失点目。その前のシーンでは岩波でしたが、前6枚が高い位置まで追いかける分CBもハーフラインを超えて降りていく選手を潰しに行く必要があり、この場面では槙野がファールで潰した後のクイックリスタートへのリアクションが不十分だったものでした。槙野には全力で戻ってほしいところでしたが、金子にももうちょっとボールホルダーをかけて欲しかったし、もっと言えば西川が叫んでいたようにクイックを止める必要がありましたね。今の浦和はこの場面に限らず自分たちのやりたいことを表現すること、そして目の前の相手に対応することで考えるスペースが埋まっている感じがして、マリーシアの部分など細かい部分を気にする余裕がない感じもしていて、こういう失点はしばらく続くかもしれません。時々ぷちっと集中力が切れてしまうというか、ずっと頑張っているテンションを維持できない感覚というか。
で、余裕が出来たマリノスはプレータイム調整も兼ねて前線を中心に3枚替え。浦和も続く64分に健勇と汰木を下げて涼太郎と関根を投入。この辺り、リカルドは実質的に終わったゲームには割り切った対応を見せるということがわかる場面だったかなと思います。実際仕事量や役割をこなせる人材の面から負担が大きかった二人だったと思うので、このゲームに追いつく可能性を考えなければ合理的な交代だったとは言えるのではないでしょうか。
後半のゲームの内容に鬼気迫る駆け引きのようなものはさすがにないので、ざっくり良かった点と悪かった点だけ触れておくと、良かったのは小泉のCHがテストできたことで、やはり最初からCHに置いても問題なくプレーしてくれました。ボールを受ける、相手を見る、展開する、次につなげるということが連続してできる理想的なリンクマンなのでスタートポジションに関係なく出来ることはやってくれますね。相方が金子だったのもありますが、本人が加入会見で言っていた通り戦うところを出せる選手なので球際をためらうということもないですし、高さとパワーが足りない以外は小泉をCHで使ってもなんとか大丈夫な気もします。相方に入った金子も横浜FC戦よりは繋ぎに参加しており、特にボールに対して横のサポートに入る場面では前の状況を把握してワンタッチで列を超えるパスを繋げていたので、ああいうことが出来るならだんだんと得られるプレータイムが増えそうです。ただボールを離さずに相手を見て…というプレーはさすがにあんまりやれていませんが。トランジション耐性の高さとか出足の良さで広いエリアを一人で見るということができる選手なので、阿部ちゃんとは違うタイプですが上手くスカッドに入っていけそうかなと思います。
悪かった場面はいろいろとありますが、チームにとって一番苦しいのは交代で大きくゲームを変えられる存在が見つからないことでしょう。浦和のスカッドだとマリノスの前線のタレントのようなスピード増し増しのメンバーで裏に走りまくれるというわけでもないので、やっぱりビルドアップがもう少し整理されないと活躍しにくいだろうなというのと、お互いのプレーや感覚を理解し合う段階の組み合わせがあったり、関根なんかは単純にコンディションがまだまだかなと言う感じがします。
あとはチーム全体、ゲーム全体として成功体験の積み上げの差というのは大きく感じたところで、自分たちがこうすれば前進できる、こうすればクロスまでいける、ここに入ればボールが来る、ここに蹴れば合わせてくれるといった相互信頼みたいなものには大きな隔たりがありました。レッズはスタメンのメンバーですらまだまだ探り合いながらプレーしている感じがあったので、後半のメンバーでその色が濃くなってしまうのは当然というか仕方ないことではあるのですが、昨年から主要メンバーが大きく変わらないマリノスとは産みの苦しみを経ているかどうかといった差はどうしても出てしまいます。同じく新しいスタイル、特にボール保持から能動的に相手を崩していくサッカーにチャレンジした2012年は選手の個人技に頼りつつも流れからのゴールを比較的早い段階で奪えたことでチームが結果を出しながら新しいサッカーに取り組むことが出来ていたという記憶がありますので、今季の浦和も同じように個人技でもまぐれでもなんでもいいので早く流れからのゴールを奪って、「出来たパターン」を一つずつ増やしていくことが思い切りの良さや出足の速さ、リスクの恐怖を超えて能動的に優位を取りに行くプレーなんかに繋がっていくのかなと言う気がします。今節はその日ではありませんでしたが、試合後の小泉のコメントにもあるようにここでビビっては本当の負けなので、しばらくは続けていくしかないのだと思っています。
MF 18 小泉 佳穂
--今日の試合で個人的な収穫や、横浜FMからの学びなどはあったか。
やりたいスタイルが違うので何とも言えないが、チームの完成度はまだ全然違う。マリノスから学ぶというよりは、自分たちがやり方をまだ模索している最中なので、早く自分たちなりの答えを見つけられたらいいなと思う。--チーム内でどういうことを確認しながら次節に向かっていきたいか。
厳しい結果は出たが、一番はチャレンジしていくことをやめないこと。これで安全なプレーや腰が引けたプレーをしていたら完成度も高まらないと思うので、そこから逃げずにやり続けることは皆で声をかけ合っていきたい。
3つのコンセプトに対する個人的評価と雑感
「1.個の能力を最大限に発揮する」は4.0点。
「2.前向き、積極的、情熱的なプレーをすること」は5.5点。
「3.攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをすること」は3.5点。
全体的に上手くいったとは到底言えませんが、今取り組んでいるものから逃げないという意思は感じました。最後の崩しの場面でのチャレンジの少なさや質、回数といった重要な課題には明確な道筋が立っていませんが、ひとつでもパターンが見つかればそれに紐づいて見えてくるものが増えると思いますので、まずは一つ形になるのがどこかというのを見ていきたいと思います。
とはいえ、現実も見ないといけないので、順位表。
最初の5節の結果が今季を占う上ではかなり重要と思っているのですが、さっそく黒星先行なのでちょっと不安があるという感じでしょうか。まだ順位を気にする時期ではないですが、試合数と勝ち点のペースは噓をつかないと思っているので、5試合やって勝ち点7という結果は逃したくないなあと思います。とはいえ次節はマンツーマンをやってきそうな札幌なので、今節同様苦労するかもしれませんが。
と言うわけで、今節はここまで。今節も長文にお付き合い頂きましてありがとうございました。
また次節。