96のチラシの裏:浦和レッズについて考えたこと

浦和レッズを中心にJリーグの試合を分析的に振り返り、考察するブログ。戦術分析。

【2021シーズン】個人的に今後が気になる選手リスト

久しぶりに何か書こうと言うことで、去年から個人的に作っている気になる選手リストをまとめます。去年は「レッズに来て欲しいな~」という意味でまとめてました(実際、金子選手と明本選手がリストの中からレッズに加入)が、今年はあまりそういうことは考えずに、純粋にJリーグを観ていて気になった選手を挙げていきます。とはいえ、良い選手だから目につくわけで、浦和に来てくれたら嬉しいのですけど。というわけでいってみよう!ちなみに、★つきの選手はイチオシで、取り上げる順番は適当です。

 

★平野佑一 : 水戸ホーリーホック⇒浦和レッズ・MF・1996年3月生まれ(25歳)175cm/68kg・右利き

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いきなりレッズに来てるじゃねえか!ということで、2021年夏の移籍は僕自身とてもびっくりしました。今季の開幕直後の水戸の試合を眺めていて、その時はたしか4-1-4-1っぽいフォーメーションで戦っていたと思いますが、アンカーとしてビルドアップからアタッキングサードに入っていく部分をうまくコントロールしていた姿が目につきました。中盤底のパサータイプの選手はそこそこ見かけますが、彼が良かったのは明らかに相手を見てプレー出来ていた部分です。相手が中途半端に寄せてきたり、自分の前を空けていれば積極的に自ら持ち上がり、そのまま最前線やライン間の選手に縦パスを刺せるのが普通の"散らし屋"とは一味違う部分です。先日の加入会見でも、簡潔な受け答えの中で自分なりの考えや信条をしっかりと示しており、聡明な選手だなというのがよくわかりました。守備の部分もハードに闘えていましたので、J1の強度や間合いに慣れれば問題ないと思います。

浦和では阿部、柴戸、敦樹に来期加入の安居に加えて本職ではないものの小泉、来期加入の宮本とCHでプレーできる選手は数多くいるのでライバルは多いですが、ボールスキルは敦樹、トラップ・ターンとキープは小泉、潰しなら柴戸、カバーリングなら阿部というように平野にはレジスタとしてボール保持でチーム全体のリズムをコントロールできる強みがありますので、上手く使い分けが出来れば良い気がします。ただ敦樹、安居あたりの今後の成長によっては直接的なライバルとなり、プレータイムを取り合うかもしれません。ちなみに、学年的には柴戸と同期、大学は国士館で明本の先輩です。活躍が楽しみ。

 

★池田樹雷人:愛媛FC・DF・1996年9月生まれ(24歳)・186cm/82kg・左利き

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チームは低迷中の愛媛FCですが、最終ラインを支える池田は大きなポテンシャルを見せつけている気がします。186cmの大型左利きCBでまさにロマンの塊といったステータスの選手ですが、プロ入り後は結構苦労していて、三菱養和ユースから加入したセレッソ大阪ではU-22Jリーグ代表チームやU-23チームでJ3を戦うも伸び切らず、バンコクグラスFCにローンの末2018年に愛媛に完全移籍。さらに愛媛から長野へのローンも経験しており、キャリアとしては紆余曲折を経て今に至るという感じでしょうか。

縦パスへの迎撃性能が高くハイボールの競り合いに強いのはもちろんのこと、ビルドアップでも左足から強いパスを同サイドに付けられるのは魅力的だと思いました。これだけのロマン要素があれば上位クラブが放っておくことはないと思うのですが、もしかするとラインコントロールや裏抜けへの対応など、細かい部分に弱点があるのかもしれません。あまり多くの試合を観たわけではないので、あんまり語れないのですけど。

今年25歳となる年齢はCBとしては遅すぎることもないですし、そろそろJ1リーグで戦う準備が出来ているのかなと思います。

 

鈴木唯人:清水エスパルス・MF・2001年10月生まれ(19歳)・175cm/66kg・右利き

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このリストでは珍しいJ1所属選手です。市立船橋からエスパルスに加入したホープはこれまで約50試合に出場と10代の選手としてはかなりの経験を詰めていると思います。主に中盤の前目でプレーし、相手が近くにいる状況でボールを受けても上手くターンして一枚剥がして前を向くというプレーが魅力的で、浦和レッズ的に言うと異常な逆脚精度をなくした代わりに体格を二回り大きくして推進力をオンした小泉佳穂みたいな感じ…と言えるかもしれません。

時々試合を観ると一枚剥がして局面を変えておお!とうならせるものの、最後の部分でパスが繋がらないとか、仕上げ切れないというシーンも結構あって、実際にリーグ戦のゴールはここまでたったの1つだけ、カップ戦を入れても3ゴールと結果を出す、チームを勝たせるという部分で苦労しているみたいです。とはいえまだ19歳のパリ五輪世代ですから、今後の可能性は十分以上。2プレー、3プレーと連続して強度を出せるようになってくると、自然とポテンシャルに見合った成績を残すようになるような気がします。パリ五輪前後で海外に行くような選手になるのか、国内移籍を挟むのか、清水の至宝となっていくのかわかりませんが、個人的に好きな選手なので要注目です。

 

西村恭史:ギラヴァンツ北九州・MF・1999年11月生まれ(21歳)・185cm/78kg・右利き

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ここからしばらく北九州の選手が続きます。個人的な趣味です。小林監督リスペクトです。とはいえ西村は清水からの育成型ローンで加入している選手なので、実質清水の選手なのですが。

興国高校出身らしくテクニックに長けたボランチですが、185cmの長身が彼のユニークネス。中盤でボールを捌くスキルに長けていて、ワンタッチのやりとりもできるしサイドも見れているしと彼もまたロマンの塊。ただ北九州では後で紹介する井澤とのポジション争い等があるのかプレータイムがあまり伸びておらず、絶対的な存在になるにはおそらくトランジション耐性や戦う部分、刈り取る部分を伸ばしてかないといけないのかな?という感じもします。ただ見ている感じだと寄せられて体勢が崩れてもパスを味方に繋げるし、身体操作に大きな問題がある感じはないのですけど、それもオンザボールの話だからかもしれません。何かと敦樹と重なるタイプの選手で、敦樹と同様にポジショナルな立ち位置を取る部分でももうちょっとやれるなあと思うところがあり、もう少し実戦経験が必要かも。ていうか、清水は自分のとこで使えばいいのにと思う選手です。

ちなみにエスパルス時代にはCBへ、北九州ではトップやトップ下へのコンバート未遂を経験しているということで、将来的には真ん中全部やれる系として高秀先生2世の道もあるかもしれません。

 

井澤春輝:ギラヴァンツ北九州・MF・1999年6月生まれ(22歳)・178cm/73kg・右利き

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浦和ユースからトップ昇格したものの一年目から徳島にレンタルされ、いきなりの大怪我。岩尾が君臨する中盤では使ってもらえるはずもなく、徳島での2年目のシーズンもほとんど出番がないまま翌シーズンはJ3鹿児島にレンタルされるも、ここでも十分な出番はなし。しかし、キャリアもここまでかと思われたJ3最終節にボランチでスタメン出場するとついに真価を発揮。中盤中央からサイド、裏と長短のパスを蹴り分けビルドアップを支配できるポテンシャルを見せると、そのプレーが小林監督の目に留まったか、はたまた元浦和の天野コーチに拾われたか北九州へ"個人昇格"。今季はここまでリーグ戦11試合に出場するなどJ2でも戦えることを示しています。

元々ボールスキルがある選手でしたが、北九州でのプレーを見るとチームが目指すトランジションの多く速い展開の中で身体を張ったプレーが出来ているのが印象的で、その分ファールもしていますが小綺麗な技巧派に収まらない雰囲気が出せている気がします。まだまだ経験値が必要なことは間違いないですが、プレー中178cm以上に大きく見える背筋の伸びた姿勢からは大器晩成の言葉が脳裏によぎったり、よぎらなかったり。ボールスキルや視野の取り方はJ1でも通用する気がするので、それをベースにインテンシティの部分を武器と言えるまで積み上げることが出来れば将来的なJ1でのプレーも期待できそう。浦和ユースということもあり、2年後か3年後くらいに浦和が無視できない選手になって欲しいなと思っています。

 

★佐藤亮:ギラヴァンツ北九州・FW・1997年11月生まれ(23歳)・171cm/63kg・右利き

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FC東京の安部柊斗、中村帆高、現名古屋の森下らを擁し12人がプロ入りした明治大学最強世代のキャプテンとして知られる有望株。FC東京のユースからトップ昇格できたのを蹴って明治に入ったものの、最終学年で怪我をしてしまって冬までプロ入りが決まらず、結局北九州でプロキャリアをスタートさせた選手です。

数々の得点記録やクラッチゴールの実績を持つストライカーですが、体格的にも得点能力だけでJ1、海外に出ていくのは難しそうというのが僕の個人的な印象で、今後はそれ以外の部分でも活路を見出したいところ。その意味で印象的なのは動き出しの良さを活かしたチャンスメイクで、中盤やサイドの選手が前を向いた瞬間にサイドの深い位置をとったり背後に抜けだしたりしてボールを引き出す能力が非常に高いと思います。理想としてはそのままゴールを決めるのが良いのでしょうが、さすがにプロではそう簡単に行かないのか深い位置でボールを受けてドリブル、折り返しといったプレーが良く見られます。でもそれが逆に良くて、個人的にはここ数年いろいろな選手を見てきた中で最も武藤雄樹2号に近い選手なんじゃないかと思うのです。大学時代までドリブルでゴリゴリに勝負してきた武藤とはまた違うタイプの選手なので武藤ほどの間受けやターンは見ることが出来ていないのですが、能力的には不可能ではないはず。謙虚な考え方やキャプテン経験を活かして責任プレッシングを小林監督の下で身に着け、武藤雄樹の正統後継者として浦和入りして欲しいのですが、どう考えてもFC東京が心のクラブでしょうから、無事に一皮むけたら満を持して飛田給に帰還しそうです。たった10行ほどの短い間でしたが夢を見させてくれて本当にありがとうございました。

 

新垣貴之:ギラヴァンツ北九州・MF・1996年8月生まれ(24歳)・171cm/62kg・左利き

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沖縄生まれ、流経育ちのレフティアタッカー。何よりも歯並びがかわいいので是非写真を見てください。

サイズはないですが左足にはパワーがあり、右サイドからカットインしての強烈ミドルはお手の物。ゴールへ向かう意識が高く、自分の武器でゴリゴリ勝負する感じは見ていてワクワクします。左サイドに出れば高精度のクロスがありますし、大外レーンだけでなく内側のレーンでボールを受けて素早くターンからドリブルでつっかけていくことも出来るので、戦術的な枠組みが固まっていて、ライン突破にうまく個の力を使いたいチームには魅力的に映りそう。大卒1年目から30試合、2年目は32試合と試合経験を十分に積んでおり、3年目の今年大きなアクシデントがなければステップアップしてもおかしくないような気がします。

弱点というか、もったいないのは相手と正対していたり複数のDFが寄せてきたときに意外性のある選択肢があまり持てていないことかなと思います。例えば坂元の切り替えしのような相手を外す武器はないようで、結構そのまま突っ込んでいく傾向があるかもしれません。まあでもそれもプレースタイルのうちとも言えますし、結果的にPKなりファールなり取ってくればいいわけで、本人もあまり気にしていないかも。

 

生駒仁:ギラヴァンツ北九州・DF・1999年7月生まれ(22歳)・185cm/77kg・右利き

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鹿児島城西高校からマリノスに加入し、現在は北九州に長期ローン中(2022年1月末まで)のCB兼SB。SBとしては高身長ですがけっこうクイックネスがあり、しなやかに動き回れるのが特徴で、ボールスキル、ビルドアップも安定しているので、ステップアップしていくならビルドアップ型のSBとしての方が希少価値が出そうです。ただ今季はSBとして出ている試合が多いですが、本職はCBということなので、本人としてはCBで勝負したいかもしれません。

プレースタイルは万能型で、身長を活かして空中戦もやってくれるし、カバーリングは上手だし、ポジショニングも悪くなく、ボールスキルもあってなんでも任せたくなるタイプの選手なので、もしかするとミシャサッカーの3バックの右に適性があるかもしれません。良くも悪くも冷静なタイプなのかプレーから俺が引っ張る!っていう熱さはあまり見えませんが、かといってうまくサボるタイプという感じもあまりしないので、無茶ぶりしまくってタスク過多な状態でプレーしてみてもらいたくなります。こういうタイプの選手にして往々にありがちなのがフィジカルや認知能力が十分に積みあがるまでは帯に短し襷に長し的に中途半端になってしまうことなのですが、北九州でインテンシティの高いサッカーをやり続け、チームを引っ張るくらいの選手になると必然的にJ1が見えてきそうな気がします。マリノスが諦めてからが本番です。

 

★鳥海芳樹:ヴァンフォーレ甲府・MF・1998年8月生まれ(23歳)・165cm/62kg・右利き

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おそらく今回リストアップする選手の中で最も小さく、そして最もクイックネスがある選手だと思います。桐蔭横浜大学から甲府入りした大卒1年目の選手なんですが、もう来年にはステップアップして全く問題ない感じです。彼を誘ったのはIJや稲垣を見出した名スカウトの森淳さんということで、普通に間違いないタレントというか、最初からJ1にいろという感じです。

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最近の甲府はボール非保持3バック、ボール保持ではリベロがボランチに上がっていく可変4バックを採用しているのですが、鳥海の役割は左サイドの泉澤と並んで右のシャドー/サイドアタッカーとして攻撃を牽引するというもの。結果を出しているのは泉澤の方ですが、試合を通して眺めているとマークの厳しい泉澤よりも目立つプレーをすることもあり、特にボールを受けてから素早くターンしたりワンツーを使って前に走り出したときのスピード感は相当なもの。上の記事にある通りドリブルに入ってスピードに乗ると普通のスプリントよりも速く感じますし、勢いに乗ったミドルシュートはかなりパワーがあり、身体能力の高さを強く感じます。

甲府では右サイドでプレーしつつ、WBが前に出てくることもあって内側のレーンでボールを受けることも多く、観ている限りでは中央の選手としても問題なくやれそうです。左サイドに置いてカットインから強烈なミドルを狙わせてみたい気もしますし、とにかくボールとスペースを渡して前向きにプレーさせたい選手、という感じです。浦和的に言えば2002年前後の初代田中達也を彷彿とさせる感じもあり間違いなく浦和のサポーターのお気に入りになる選手だと思うのですが、なぜか来年は紫色のユニフォームを着ていそうな悪寒がします。どうしてかな。

実績もありチームトップの得点数を稼いでいる泉澤がチームのエースであることは間違いないのですが、是非とも遠慮せずにポテンシャル通りの結果を見せつけてほしい選手です。これがJ2中位以下のクラブであればもはや「いつ出ていくか、いくら残してくれるか」を考えるべき選手ですが、甲府はまだまだ昇格を狙える位置にいますし、面白いサッカーをしているので、昇格を決めて彼の成長と共にクラブごと上に登り詰めていく夢物語に真剣にチャレンジすべきかなと思います。最初にプロに誘ってくれた甲府愛を隠さない一途な選手っぽいので、それが叶えば他のJクラブのユニフォーム姿を見ずに済むかもしれません。

 

知念哲矢:FC琉球・DF・1997年11月生まれ(23歳)・178cm/70kg・左利き

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近畿大学からFC琉球に加入した大卒2年目の左利きCB。名前の通り沖縄県出身の地元選手で、プロ入り前はボランチでもプレーした経験がある模様。CBとしては大きくないものの対人守備には自信がありそうで、がっつり身体をぶつけてもあまり倒れない印象。希少価値はやはり左足で、ものすごい縦パスを差し込むわけではないとはいえビルドアップ時の同サイドへの展開や前線へのフィードでは左利きのメリットを感じさせます。

沖縄のバンディエラになっていくキャリアもあるのかなという気がしますが、貴重な左利きとしてJ1クラブが目をつけていても不思議ではない感じです。もしかすると、3バックの左で使うのが一番良いかもしれません。

大学時代に対戦して衝撃を受けた選手として林大地、山本悠樹の名前を上げていましたが、彼らと同じ舞台に立つこともできるはず。ちなみに次に紹介する上門とは沖縄時代のトレセン同期で仲良しだそうです。何情報だよ。

 

上門知樹:ファジアーノ岡山・MF/FW・1997年4月生まれ(23歳)・166cm/61kg・右利き

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いや、これで「うえじょう」とは読めないだろ。無理だろ。ということで一度覚えたら忘れられない選手なのがこの上門。シャドーやトップ下として前向きにプレーさせるのが正しい使い方で、ミドルシュートの威力と精度はおそらくJリーグ全体でもトップクラス。一度覚えたら忘れないのは、名前の珍しさだけでなくセンセーショナルなゴラッソメーカーとして強烈だからで、15m~25mくらいの距離を狙ってゴール上にぶち込む能力はもはや特殊スキルと言えます。

沖縄・与勝高校から当時J3のFC琉球に加入。2019年シーズンには38試合14ゴールをたたき出し、翌年に岡山へ移籍。2019年に一年だけ小泉と琉球で被っていますが、この年は上門がトップ下に君臨し、小泉はあまり出場時間を伸ばせませんでした。

トップ下っぽいポジションでプレーするのがデフォルトだと思いますが、できないのかやらないのかは知りませんが小泉と違ってあまりビルドアップには係わらず、消えたなーと思ったらこぼれ球をボレーでズドン、みたいな印象です。高いボールスキルを持っていますがスペースを使って突破するという感じではなく、割と狭いところで一瞬の隙を通していくFW気質が強い印象。ポテンシャルを最大限に活かすなら相棒に潰れ役を用意すべきかもしれませんが、こういったスタイルはあまりビルドアップにこだわらない岡山でプレーしているからかもしれません。

各年代を通じてビッグクラブに在籍した経験はないと思いますが、どちらかと言うとボールを保持できるビッグチームに所属して仕上げの専門家をやったほうが幸せになれそう。WGやSHとして出場しつつ、内側のレーンに入り込んで勝負出来ると上位クラブも獲得しやすそうですが、年齢的にも契約年数的にもいろいろ考えるであろう今後は果たして。

 

★神垣陸:レノファ山口・MF・1998年7月生まれ(23歳)・178cm/65kg・右利き

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最近見つけたお気に入り選手の一人です。フィジカル的に特別なものはあまりないと思いますが、「いる」能力が高くて面白い選手です。僕が観た試合ではダブルボランチの一角だったのですが、とにかく中盤の局面に「いる」。顔を出すとかではなく、もはや予め「いる」。ダブルボランチなのに体感で8割くらい神垣が局面を捌いていて、いっつもこいつだな、と思ったのが最初です。

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それでこの記事を見つけたんですが、「全て奪って、全てさばく」っていいですよね。全て狩る系ボランチとしておなじみ「俺たちの」柴戸海は多少遅れても鬼速の出足と脚の伸び、身体をねじ込む技術で無理やり潰してしまえる、ある意味で派手なタイプですが、神垣は影のようにそこにいてボールを奪ってしまうみたいな感じでこれまた違った趣があり、これは僕と西野TDのボランチコレクションに加えるべきではないかと思います。正味のところ、阿部、柴戸、敦樹、金子、安居に平野を加えていいんだったらもはやコレクションでしょ?なら神垣もいいでしょ?ねえ買って?買えるよね?えっダメですか。はい。

ちなみに、ボール保持においてもワンタッチを使ったりサイドにシンプルに捌いたりとガチャガチャしないので見ていてストレスは感じません。ただビシバシ中央に通す感じはあまり見ていないし、平野みたいな相手を見てのポゼッションコントロールみたいな能力は今のところ期待できないかも。そこまで出来たら、もうレべチなんですけど。

大学では川崎の橘田と同期ということで、彼がJ1でそれなりに試合に出ている以上神垣もキャリアアップできるはず。なんとなく、セレッソとかが好きそうな選手ですね。次期主任みたいな感じで。

 

畑大雅:湘南ベルマーレ・DF/MF・2002年1月生まれ(19歳)・176cm/70kg・右利き

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彼の場合は今季というより昨季の印象の方が強いのですが、タイガーというよりバッファローみたいなゴリゴリの突破が面白いサイドプレーヤー。右利きですが左サイドでも縦に仕掛けて左足でクロスを放り込めるのが特徴で、相当体幹が強いのか一つ一つの動きが力強く、ボールにもかなり力が伝わっている感じがします。

最近はポジショナルプレーとかいってSBを中に入れたりしてみんないろいろやってますけど、やっぱり最後は縦への突破だと思うんですよね。結局上手くチームを作れば作るほど相手は引きこもるし、裏のスペースもなくなってやることがなくなってくるわけで。ミシャの時代の経験からしても、最後に必要になってくるのは縦への突破、特に静止状態からよーいどんで一気に1m相手を置き去りにして、エリアに侵入するなりクロスを上げ切るなりできる選手が欲しくなるわけです。そういう意味でこの選手は特筆すべき能力を持っているし、それに両サイドで縦に行けるのは本当に興味深いです。まだ10代の選手なのでこれから学ぶことはいろいろあるでしょうが、順調に強烈な選手になってほしいなと思います。

ちなみにこの記事を書くために彼のwikipediaを見たら、おじいちゃんがアメリカの方なんですね。それでお父さんがプロボクサーって半端ないフィジカルエリートじゃん。そりゃああなるわ。市船でも湘南でも明確に香車としてプレーしてきている印象があるので、今後もあえてインテリジェンスを無視して力とはパワーを合言葉にキャリアアップして欲しい選手です。

 

池田昌生:湘南ベルマーレ・MF/FW/DF・1999年7月生まれ(22歳)・176cm/70kg・右利き

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この選手もあまりたくさん試合を観たわけではないのですが、浦和と対戦した時に印象的だったのでリストアップ。セレッソのアカデミーから東山高校を経てJ3福島に加入、3シーズンを過ごした後湘南へジャンプアップという経歴。高卒から3年で約100試合出場経験があるのは立派です。でもよくわからないのは、僕が観た試合では彼は3バックの右をやっていたはずなんですけど、wikipediaにはFWって書いてあって、Football LABでは右WBとOH(多分シャドー)で出場していることになってます。どんな使われ方してるんだよ。

で、僕が彼を見たときの印象も、どこのポジションかよくわからない、でした。3バックの右のはずなんですけど、立ち位置は完全に右SBで、前にいる畑をサポートして追い越したりしてました。しかも上手い。普通に上手い。スピードとタフネスはもちろんのこと、前の畑を使いつつ中に絡んでいったり、ただのSBとは思えないほど攻撃の局面でアイデアがある選手でした。で、後で調べたら福島ではアタッカーとしてスルーパスをバシバシ通してました。そんなことある?

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ということでググってみたら、がっつり特集されてました。右SHから中央にコンバートされたんですね。ということで、彼はもしかすると面白いと思います。スピードもあるし、パスも出せるし、サイドと中央の両方の動きを知っている選手というのは結構良いのではないかと。中央兼サイドの選手ってスピードはあんまりなかったりするんですけど、彼の場合は普通にサイドプレーヤーとしてやっていけそうですし。

ただ湘南では思うようにプレータイムを確保できていないようなので、強度とかいろいろあるのかもしれません。ただまだ22歳。大学4年生の特別指定選手がJ3で100試合キャリアを持っている状態と考えると、何にも悲観する必要はありません。これからに期待です。

 

山崎浩介(モンテディオ山形・DF・1995年12月生まれ(25歳)・182cm/80kg・右利き

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モフモフスキー監督の下J1昇格に向けて一気に順位を上げてきている山形のCBの一角。大宮のアカデミー育ちで、大宮ユースから明治大学を経て愛媛でプロデビュー。愛媛での3シーズンで100試合以上を経験し山形でもポジションを掴んでいる中堅CBです。

見た目からして体が分厚く、フィジカルコンタクトに強さを発揮する迎撃タイプのCBであることは明らか。ただ裏への対応も意外とスピードがあって、ラインを上げるのを恐れていない感じがグッド。さらに目についたのは、ボール保持を怖がらないこと。山形がそういうサッカーをしているからというのもあるのだと思いますが、相手を押し込んだ状態では悠々とハーフラインを超えた位置に進出してボールを受けていました。今でこそCBが高い位置に出ていくことの重要性はかなり指摘されますけど、普通に考えて怖いと思うんですよ。だからこそボランチ出身やSB兼務の選手がCBとして起用される例もあるわけで、そうなると純粋なCBとしてのバトル性能とか、最後の局面の責任感とか、守備者としての素養をある程度諦めるような起用も多くなります。この選手が面白いのは、CBとしての恵まれた体格と能力、メンタルを持ちながら、ポゼッションやポジショナルな組みたてに貢献できるプレーを備えているように見えることです。あれだけ分厚い選手が普通に相手陣内でボールを持っていれば、そりゃ目立ちます。ものすごい縦パスやサイドチェンジのセンスがあるわけではないでしょうが、高い位置で普通にパスを繋げるCBというのは相手を押し込んでいきたいチームには魅力的でしょう。

年齢は今年の冬で26歳とさすがに中堅になっていますが、CBであることを踏まえれば将来性は十分。ポジションを掴んでいる山形でのJ1昇格、トップディビジョンでの力試しが青写真だとは思いますが、フィジカル+ポゼッション適応を合わせ持つ選手はそう多くないため、山形の昇格の有無にかかわらず声がかかるかもしれません。明治大学では柴戸と同期だったという縁もあって、今後が気になる選手にリストアップです。

 

ということで、今のところ僕の気になるリストには15人が入っています。シーズンはまだ続くので、これからも増えるかもしれません。ということで、今回のチラ裏はこのへんで。それでは。