96のチラシの裏:浦和レッズについて考えたこと

浦和レッズを中心にJリーグの試合を分析的に振り返り、考察するブログ。戦術分析。

浦和レッズ

「戦術的間延び」なのかどうか:J1リーグ2024第3節vsコンサドーレ札幌 分析的感想

www.jleague.jp 文脈とメンバー 開幕2試合で勝利なしの両チーム。さらに今季浦和はPKの1ゴール、札幌はゴールなしとお互いにチーム作りが思い通りに進んでいない中でのゲームです。 札幌はマンマーク強めのディフェンスをすることがリーグ内でも広く認知され…

なんとかならんのか:J1リーグ2024第2節vs東京ヴェルディ1969 分析的感想

www.jleague.jp 文脈とメンバー J1第2節では唯一の日曜開催となったこのゲーム。他の試合では第1節に勝利した有力チームが軒並み足踏みで全勝チームが消え、J1は早くも混沌とした展開となっています。開幕戦に敗れた浦和はこれに乗じて順位を上げていきたい…

なすすべなしの10分間:J1リーグ2024第1節vsサンフレッチェ広島 分析的感想

【公式】広島vs浦和の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年2月23日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp) メンバーと文脈 2024シーズン開幕!今季は大規模な補強の評価が高く優勝候補としても名前の挙がるレッズですが、開幕戦は同じく評判の高い…

2023シーズン全選手振り返り(下)

(上)はこちら www.urawareds96.com (中)はこちら www.urawareds96.com 25 安居海渡 出場試合数はチームナンバーワンの56試合ということで最多出場と言われていますが、実はプレータイムは3,865分でナンバーワンというほどではありません。とはいえ、昨年…

2023シーズン全選手振り返り(中)

(上)はこちら www.urawareds96.com 12 鈴木彩艶 浦和が手塩にかけて育てた未完の大器は今季途中から戦い場をベルギーに移すことに。現在はシントトトトトトロイデンの守護神としてまあまあの活躍を見せているようです。今季のレッズではやはり2番手GKとし…

2023シーズン全選手振り返り(上)

1 西川周作 37歳となった今シーズンもフル稼働の大活躍。後述するパフォーマンス、リーグ1位の27失点という結果、定性面・定量面のそれぞれで素晴らしい成果を見せた今季は2016年以来7年ぶりのベストイレブンを受賞しました。ジョアンの教えをマスターしたこ…

アルヒラル予習メモ:アジアにおける絶対強者。彼らに「思い出させる」戦いを。

いよいよとなったACL2022Finalに備えて、アルヒラルの予習をしたのでメモしておくものです。 アルヒラルのサッカーの基本構造 直近の試合を文脈込みで見ておこうということで4月のリーグ戦を一応全部観ました。以下はその感想です。ただ日程が厳しいせいかラ…

すこ観戦会報告書(あるいはスコルジャ監督によるチーム作りの展望について)

夜な夜な開催していた『すこ観戦会』、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。本当はもう少し多く試合を観る予定だったのですが、仕事の都合で時間を捻出できず。ただ楽しかったので満足です。せっかくなのでメモ書きを残しておきたいと思っていたの…

2022シーズン全選手振り返り(下)

(上)はこちら。 www.urawareds96.com (中)はこちら。 www.urawareds96.com 24 宮本 優太 ルーキーイヤーで公式戦22試合の出場はならば浦和の大卒1年目としては良いシーズンだった部類に入るんじゃないかと思います。同期の安居がほとんどプレータイムを…

2022シーズン全選手振り返り(中)

(上)はこちら。 www.urawareds96.com 12 鈴木 彩艶 世界に誇る未完の大器は昨季も西川とのハイレベルなポジション争いに晒されることに。浦和ではリーグ戦2試合とACL4試合、ルヴァンカップ2試合の8試合にフル出場しゴールを守りましたが、本人としても期待…

2022シーズン全選手振り返り(上)

自分、毎年恒例の全選手振り返り、行きます! 例年通り背番号順、出場記録は例のごとくSoccer D.B.さんのデータを主に参照です。また、既に2023年になってしまったので昨季=2022年シーズン、今季=2023年シーズンのつもりです。誤字や記録の間違いがあれば…

浦和レッズの「3年計画」およびフットボール本部とガチ対話する

はじめに 浦和レッズの「3年計画」は失敗に終わりました。3年前に高らかに宣言した2022シーズンでの優勝は夢と終わり、優勝チームである横浜Fマリノスとの勝ち点差は29。シーズンで一度も優勝争い(3位以内)に絡むことすらできなかったのですから、ACL東ア…

浦和レッズの「3年計画」およびフットボール本部とガチ対話する【時系列編】

3 【時系列編】 「3年計画」について考えるにあたって、この3年間で何が起きたかをまずは確認していきます。記憶を掘り起こしながらなので濃淡は出てしまうと思いますが、なるべく丁寧にこの3年間のストーリーを追っていきましょう。 3.1 2019年オフ~2020…

浦和レッズの「3年計画」およびフットボール本部とガチ対話する【現場編】

4 【現場編】 ここからはトピックごとに振り返っていきます。基本的には現場~マネジメント~戦略まで、少しずつ視座を上げて振り返っていきます。というわけで、まずは【現場編】です。 ここではいわゆるピッチ上の話をします。競技面の責任は基本的に監督…

浦和レッズの「3年計画」およびフットボール本部とガチ対話する【強化・マネジメント編】

5 【強化・マネジメント編】 3年計画及びフットボール本部の取り組みとのガチ対話はついにマネジメント編に突入です。いよいよ主役と戦えると思うとワクワクします。今回で見ていくのはまさにフットボール本部のパフォーマンスです。特に、フットボール本部…

浦和レッズの「3年計画」およびフットボール本部とガチ対話する【戦略編】

6 【戦略編】 いよいよ振り返りも最終局面です。フットボール本部を組織したことも含めて、「3年計画」を含む浦和レッズの新たな取り組みの戦略性についてみて行こうと思います。 6.1 そもそもサッカーの定義が合っていたか? これまで主に現場での取り組み…

浦和レッズの「3年計画」およびフットボール本部とガチ対話する【その他&独り言編】

7 【その他&独り言編】 これで最後、もうここまで読んでいる人はいない気もしますが、「3年計画」の外側の存在についても少しだけ触れていきましょう。そして最後に、あとがきのようなものを書いておきます。 7.1 メディア・コミュニケーション 「3年計画」…

「レッズファミリー」という言葉への小さな違和感の話

「レッズファミリーが一丸となった勝利」 2022年のACLは物凄い闘いでした。ラウンド16からのノックアウトステージは日本が立候補したことで埼玉でのセントラル開催、しかも一発勝負での決着となり、浦和にとっては非常に有利なレギュレーションでしたが、そ…

【お題で書く】サイドアタッカーに順脚を置くことのメリットデメリットについて。なぜリカルドは順脚を置きたがるのか【1,500字】

お題で書くシリーズ、第2弾。お題を思いついた人はPagefulで投げてください。 今回のお題 サイドアタッカーに順脚を置くことのメリットデメリットについて。なぜリカルドは順脚を置きたがるのか。1500字程度でお願いします 時々話題になりますね、これ。早…

【お題で書く】ACLの外国人枠は3で既に埋まっているが、それでもなお外国人FWが必要であるという理由【1,000字】

お題で書くシリーズ。今年からはじめました。お題を思いついた人はPagefulで投げてください。 今回のお題。 ACLの外国人枠は3で既に埋まっていますが、それでもなお外国人FWが必要であるという理由を800字以上1000字で書いてください。 書いたもの もし外国…

2021シーズン全選手振り返り(下)

(上)はこちら www.urawareds96.com (中)はこちら www.urawareds96.com 22 MF 阿部 勇樹 このエントリを書くのに各選手の出場記録を改めて確認するんですが、リーグ出場620分で3得点ってすごくないですか。まだやれるんじゃないですか。と、言ったところ…

2021シーズン全選手振り返り(中)

(上)はこちら www.urawareds96.com まだまだいくぞ! 11 MF 田中 達也 片野坂監督の下大分で輝き、ポジショナルプレーへの理解もあるアタッカーということで浦和に辿り着いた今季、背番号11を与えられリカルドの下でプレーすることに対しモチベーションは…

2021シーズン全選手振り返り(上)

今年は誰にも頼まれていないのに書き始めてしまいました。今年は比較的書きやすかったですが全員分書くのは相変わらずつらかったです。 出場記録は例のごとくSoccer D.B.さんのデータを主に参照(アシスト数はJリーグ公式)です。間違っていたらそれとなく教…

敦樹の立ち位置:Jリーグ2021第10節 vsセレッソ大阪 分析的感想

セレッソ戦、浦和のスタートが442だったか4141だったか、意見が分かれまくっていて面白い。フォーメーションの数字は電話番号と言う人もいるとはいえ、気になるのもたしか。さて、どっちだったでしょう?— 96 (@urawareds96) 2021年4月20日 両チームのメン…

武田の役割:Jリーグ2021第9節 vs徳島ヴォルティス 分析的感想

ピンチはチャンス!ということで、仕事が忙しくて時間が取れないなりにエントリを書いてみるチャレンジです。これから7連戦とかどうなってしまうんでしょうか。 両チームのメンバーと嚙み合わせ 浦和ベンチ:彩艶、宇賀神、工藤、汰木、柴戸、健勇、興梠 徳…

目に見える向上:Jリーグ2021第8節 vs清水エスパルス 分析的感想

工藤くんベンチ入りさせたら連勝したから工藤くんは多分座敷童の亜種— 96 (@urawareds96) 2021年4月7日 両チームのメンバーと嚙み合わせ 浦和ベンチ:彩艶、宇賀神、工藤、敦樹、汰木、健勇、興梠 清水ベンチ:大久保、エウソン、立田、西澤、河井、鈴木、…

選手間のシナジー:Jリーグ2021第7節 vs鹿島アントラーズ 分析的感想

やっぱ鹿島戦は気合が入ります。 両チームのメンバーと嚙み合わせ 浦和ベンチ:彩艶、宇賀神、工藤、敦樹、汰木、健勇、興梠鹿島ベンチ:クォンスンテ、林、遠藤、松村、船橋、アラーノ、染野 この試合の最初のトピックは柴戸をアンカーに置いた4-1-4-1シス…

均衡への耐性:Jリーグ2021第6節 vs川崎フロンターレ 分析的感想

濡れたよ。ずぶ濡れだよ。 両チームのメンバーと嚙み合わせ 浦和ベンチ:彩艶、田中、大久保、阿部、柴戸、武田、明本 川崎ベンチ:丹野、車屋、三笘、橘田、塚川、家長、知念 川崎はあまり見たことのない小林悠とダミアンの同時起用。左のWGも三笘ではなく…

適切なリスクをどこで誰がかけるのか:Jリーグ2021第5節 vsコンサドーレ札幌 分析的感想

一回ドラフトが全部消えたので2回このエントリを書いています。おかしくなりそうです。 両チームのメンバーと嚙み合わせ 浦和ベンチ:彩艶、田中、敦樹、大久保、柴戸、武田、武藤 札幌ベンチ:菅野、岡村、中野、青木、小野、高峰、中島 浦和は前節マリノス…

「ビルドアップが上手い」とは:Jリーグ2021第4節 vs横浜Fマリノス 分析的感想

DAZN中継の画角の狭さ、どうにかなりませんかね。 両チームのメンバーと嚙み合わせ 浦和ベンチ:彩艶、田中、金子、柴戸、武田、関根、涼太郎 マリノスベンチ:高丘、伊藤、小池、天野、渡辺、水沼、オナイウ 浦和は前節と同じメンバーでスタート。さすがに…