96のチラシの裏:浦和レッズについて考えたこと

浦和レッズを中心にJリーグの試合を分析的に振り返り、考察するブログ。戦術分析。

英語記事を書いた意図とJリーグへの世界の興味について

新型コロナウイルスの感染拡大で僕たちのJリーグも3月中旬まで延期ということで、突然週末を中身だけ奪われてしまったみなさんこんにちは。状況が状況なのでリーグの判断は尊重するしかないにしろ、暇になってしまったのは事実なわけで、やはりこういうときにやることに事欠かないくらいの趣味の幅は持っておきたいところですね。オリンピックもあるので特に後半戦の日程がどうなってしまうのか非常に心配ですが、今はとにかくこの空いた時間を有意義に使う必要があります。

 

英語記事を書いた意図

それで、先週Jリーグの全試合の延期が発表されてから、前々から考えていた「今年やってみたいことリスト」を消化することに決めて、英語で浦和レッズを紹介する記事を書いてみました。

www.urawareds96.com

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まさかの3部構成になってしまったのは、日本語で書いても英語で書いても結局書き手が同じであればその特徴が出るわけで、つまり僕は長文を書いてしまうので、下書きしていた原稿が日本語にすると2万字近い情報量になってしまったためです。素人がへたくそな英語で書いた日本のサッカークラブの記事を2万字分読んでくれるpatientな外国人がいるんだろうかと考えたら、僕の主義ではないのですが記事を分割したほうが良いなと思ったわけです。それでも結構な情報量ですけど。

で、なぜこんなことをしようかと思ったかというのは、もちろんこの記事が広まって世界中の浦和レッズに興味がある人がぐぐったらこの記事が出てきて、OHレッズノコトガヨクワカール!的なニーズを満たせれば、というのもあるのですが、どちらかというと今年中に仕事で関係のある外国人を埼スタに連れていくことになりそうなので、その時にいろいろ説明する手間が省けるだろうなあというのが本音だったりします。要はシンプルに自分のため。
もう一つ自分のためと言えば、やっぱり英語を少しばかり勉強してきたので、それを自分の趣味のコアであるサッカーと繋げてみたいという興味があったことは事実です。思えば僕の趣味はもともとサッカーを含むスポーツ全般と旅行、読書、ゲームあたりがあって、それらに派生して、もしくは組み合わせを考えてブログが出てきたりカメラを始めてみたりと広がっていっているので、いつかはサッカー、浦和レッズについて英語で何かを書いてみたいと思うのは当然と言えば当然の成り行きかもしれません。

もともと仕事柄日常的に英語を使っているので、英語で何かすることに心理的な抵抗は少ない方だと思っていたのですが、それでもやってみたらすごく大変でした。僕は本当に自分で嫌になるほど語彙が少なくて、自分の仕事に関係ない単語は全然覚えてないのですが(覚えればよいだけなのですが)、サッカーを英語で語るなんてやったことがないので、どんな表現が一般的に使われるかわからないし、かといって僕が関わる外国人(つまり読んでもらうことがなんとなくイメージできる人たち)は非ネイティブなのであんまり凝った表現をつかっても仕方ないしという感じで、いろいろ参考にしつつ手探りでやってみるという感じでした。でも、やったらやったで自分の血肉になりそうな感覚はあって、探せば参考になる文書はいくらでもあるし、確かにサッカーを自分の英語で語れればそれは楽しいだろうという気もするので、こうやって時間があるときに挑戦してみたいテーマではあるなと再確認しました。

Jリーグへの世界の興味について

で、こういう新しいチャレンジをするとそれがまた新しい興味を生んだりするもので、書いているうちに、「この記事をネットで見つけて読む人がいるとして、それはどこの国の人の可能性が高いのだろう?」と思い始めます。

このブログの過去のアクセス解析によると、まあ99%は日本からのアクセスで、時々アメリカ、オーストラリア、中国、台湾、その他東南アジア圏からのアクセスがある感じです。そのほとんどは海外に駐在していたり移住している方のものだと思いますが、実際海外にいるとJリーグの映像はほとんど観れないので、こういう試合まとめみたいな記事はそれなりに役立っているかもしれません。問題は僕自身が海外に出張していると僕も試合を観れないことで、意味ないじゃんってこともままあるのですが、最近はいわゆるレビュアーも増えてきて選択肢が増えたのであまり問題ないかも。まあそもそも僕が使命感を感じる必要もないんですけど。

話を戻すと、「この記事をネットで見つけて読む人がいるとして、それはどこの国の人の可能性が高いのだろう?」を知ろうということで、一番簡単なのはグーグル先生に教えてもらうことなので、聞いてみることにしました。

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"Urawa Red Diamonds"の検索トレンド

それがこれ("Urawa Red Diamonds"で検索した結果)なんですが、まあこれだけではよくわからないです。昔は絶対数が出ていた気がするのですが、今は最大を100としたときの指数しか出ないので、いつが山になっているかとか、最近の傾向しかわかりません。ちなみに最大になっているのは2017年7月9日~15日の週で、何があったかなーと思ったらドルトムントとJリーグワールドチャレンジで試合してたのが2017年7月15日でした。


【公式】ハイライト:浦和レッズvsボルシア・ドルトムント 明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ 2017/7/15

どんな試合だったか完全に忘れたわーと思ったら、エムレ・モル君が凄かった試合ですね。テレビで見た気がします。

全部細かくは調べていないのですが、この感じだと対外国チームとの対戦がある週に急増して、そうでない週にはかなり落ち着くというのが傾向のようです。ちなみにここ数年で2番目の山は2019年5月19日~25日の週で、これは北京国安とのグループステージ突破をかけた一戦が21日に行われた週ですね。アルヒラルとの決勝のあった週にあまり数字が伸びていないのが意外なのですが、これは"Urawa Reds"の検索トレンドに大きな伸びが見られたのでたぶんサウジの人は浦和レッズと認識しているんですね。

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"Urawa Reds"の検索トレンド

で、すっごい謎なのはアフリカでのインタレストがやたら高いことで、これは何なんでしょう。逆に中国がまっしろなのは、中国ではそもそもVPNを使わないと外国のサイトにアクセスできないしGoogleも中国での覇権争いに負けてしまったので中国本土の検索行動をGoogleが追跡できない事情はよくわかります。もしかしたら中国の人がプロキシ刺すときにアフリカのアドレスを使っているんですかね?ケニアのインタレストはオルンガ経由?と無理やり考えることができなくはないのですが、キンシャサ・コンゴは想像もつきません。2017年のCWCで戦ったのはモロッコのウィダード・カサブランカでしたが、コンゴは関係ないし。このアフリカの謎インタレストのおかげでどこの国の人が浦和へのインタレストを持っているかはよくわからなくなってしまいました。

そこで、ちょっと工夫してほかのチームと比べてみましょう。

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"Urawa Red Diamonds" v "Yokohama F Marinos"

まずは昨年優勝チームのマリノスと比較。ちなみに正式な英語名は"Yokohama F・Marinos"っぽいんですが、海外の人が・とか使う気がしません。せめてF-Marinosのほうが良い気がします。あと、色は感覚的に青がマリノス、赤がレッズに合わせてみました。これまでの世界への露出という意味ではレッズはやっぱり結構健闘していますね。ただ、昨年優勝を決めたあたりから検索数で浦和を追い抜いていますし、今年に入ってからもACLでの活躍もあってかインタレスト稼ぎは好調のようです。相変わらず謎のキンシャサが混ざってますが、世界的には浦和が知名度で優勢なものの、マリノスがACLを戦ったタイとオーストラリアでは既にマリノスにインタレストを上書きされており、浦和もなるべくはやくアジアの舞台に戻らなければ古豪扱いをされてしまいそうです。

神戸への圧倒的なインタレスト/ ビッグネーム獲得の効用

次にこの2クラブに、同じくACLへ初出場する神戸を加えてみましょう。ドン・アンドレス・イニエスタをはじめ世界のスターが在籍していたクラブですから、そのインタレストがいかほどかは気になります。

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"Urawa Reds" v "Yokohama F Marinos" v "Vissel Kobe"

えっえっえっエグい!神戸えぐい!浦和とか虫けらです。マリノスはもう見えません。世界が神戸に注目しています。世界が神戸に染まりました。かろうじて赤く残っているのはサウジとナイジェリア、南アフリカのみです。マリノスは見えません。

正直ここまで凄いとは思っていませんでした。神戸の名前が圧倒的に売れたのが2018年の5月以降となっているので、やはりイニエスタ効果でしょう。検索数が最大となっているのは2019年7月で、これはRakuten CUP でヴィッセル神戸とFCバルセロナの対戦があった時期ですね。


【ハイライト】ヴィッセル神戸vsFCバルセロナ|Rakuten CUP Supported by スカルプD

この動画も28万回再生と普通のJリーグ関係動画と比しても良く再生されてますね。とにかくイニエスタがいかにえげつのない存在かというのがよくわかりました。神戸は世界に半端なく注目されてます。たとえそれが巨星・イニエスタの背中に乗っかったものだとしても、です。

難しい話に突っ込んでいくまでもなく、今後数年は世界の成長エンジンは引き続きアジアが担うでしょう。欧州サッカーは自分たちがこのままでは無限に成長し続けられないことを悟り始めていますし、日本サッカー、Jリーグが今後成長していくにあたってもグローバル化、特にアジア圏のファンの取り込みは欠かせない要素だと思います。そういう意味では、高い給料を払ってでも一流の選手を呼んできて、その人気をてこにクラブを知ってもらうというのは非常に大切なことなのかなと思います。

浦和はいわばアジアの舞台でコツコツと名前を売ってきたわけで、そのおかげで(サウジやおそらく中国の一部など)には浦和レッズがどのようなクラブか、その魅力、そのストーリーを知ってくれている人がいます。僕は個人的にはそういう地道な活動や交流が結構好きで、僕の記事もそういうはたらきの中の一部であれればなあと夢見るわけですが、ビッグネームのここまでの効用を見せつけられるともう、すみませんでした経済はパワーですとしか言いようがないですね。

というわけで、神戸サポの人は英語で毎週の試合のレビューとか今日のイニエスタとか神戸の魅力とか発信したら、今ならたくさんキャッチャーがいるよということがわかりました。僕も英語の記事を書くなら2017年か、せめて2019年でしたね。いずれにしろアラビア語で書いたほうが人気は出たでしょうけど。

個人的には浦和にはグローバルな人気を、とりわけ東アジア、東南アジアにおける明確な地位を築いてほしいと願っているので、はやくアジアの舞台に戻れるように応援するばかりです。やっぱり海外勢との対戦が検索数が伸びる大きなきっかけになっているので、ACLを含めた海外クラブとの対戦の機会を定期的に確保していくことは非常に重要だと思います。今年は残念ながらなかなか機会がなさそうですが、その間に、僕ももう少し良い英語を書けるように勉強しておこうと思います。

 

まとまりがなかったですが、今日のチラ裏はここまで。

また次回!